胸水がたまったフェレットの胸部

胸水(処置前⇔後)

病気

フェレットの胸水とは?初期症状(溜まってきたかも)を見逃さないために

「胸水」と聞くとなにかものすごく怖いもののようなイメージがありますが、実は、健康な子でもごく少量の胸水はあります。

これは肺がスムーズに膨らんだり縮んだりするための潤滑剤みたいな役割を果たす必要なものです。

胸水が「病気(の症状)」になるのは、その液体がレントゲンなどで確認できるほど胸にたまって増えた状態になった時です。

ゆっくりと溜まっていく時は無症状で、検査で初めて指摘されることもあります。

胸水がある程度の量になったり、急激に増加すると、肺や心臓が圧迫されるため呼吸苦や胸痛などが出現します。

そのまま放っておく早ければ数時間で「心不全」や「肺水腫」に至ります。

※その子についての詳しい事は獣医さんに直接ご自身で聞いて下さいね。

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フェレットの胸水とは?

この子達に胸水がたまる原因はわれわれ人間同様、「色々と」あります。

が、これまで聞いてきているものとしては、心臓からくるもの、リンパ腫などの腫瘍から、感染症から、副腎疾患など何らかの病気の末期症状、などが多いように感じます。

冒頭でお伝えしたように「少しずつゆっくり溜まっていく」ものにはその時点で気付いてあげることは出来ません。

何も症状がないうちから「胸水がたまらないように予防」してあげる事が難しいのが胸水です。

ですが、例えば心臓病の場合などは早期発見、早めからの治療、で、その後が全く違ってきたりしますので、シニアニョロは健康診断でその都度「心臓エコー」「レントゲン」を受けて、その子の心臓の状態を知っておいてあげると良いかなって思います。

「全然、違う検査でたまたま見つかった」という子のお話も多いですので、健康診断は若いうちから定期的に受けさせてあげて下さいね。

初期症状

一番、多いのはやはり「咳」です。

経験者さんたちのお話によると、皆さん「後から思い返してみると」

  • 明け方によく咳をしていた(変な咳)
  • 咳を頻繁にしていた(しつこい咳)

などなど、「咳が初期症状にあった」お話を聞きます。

※この動画はまだ心臓に注意が必要だと言われる前のものですが、「うちの子の初期症状に似ています」とのお声があったので参考として載せました。

咳以外にも

放牧中にすぐペタンするようになった(その時ハァハァと口呼吸をしていたら胸水の可能性をすぐに疑ってあげて下さい)

息切れのような状態や口を開けて呼吸している事が増えた

寝方がおかしい(寝方がいつもと違う)これは「頭を高くあげて寝てた」「いつも同じ側を下にして寝てた」などが多く、その場合はもう、お水が溜まっている方を下にして自分で苦しくない姿勢をとっている状態(=もう苦しいほど溜まっている状態)だったりするので初期症状というより、そのまますぐにでも病院へ駆け込んであげるべきサインです。

食欲不振

胸水が溜まると苦しくて食べられなくなってしまいます。食べられないと病気と闘う体力が落ちてしまいますから見逃さずにいてあげて下さいね。

ダルそうにしてる

「虚ろな目でボーとしていた」というお話がありました、が、その逆に

険しい表情(この子達の初期症状によるそれは分かりづらいのですが、目が奥に引っ込んでいたり、目の開きが半分くらいになっていたり、とにかく❝目❞に変化がでます)だったという子のお話もありました。(さすけはこちらです)

体重の急な増加(お水が溜まっていくのでその分が増えます)

先ほどもお伝えしたように「全然、違う病気の検査でたまたま見つかった」子の中には、これらの「症状が一切でていなかった」というお話もあります。

更に進むと体重減少、足や肩などに浮腫みなどがでる悪液質という症状になってくるわけですが、そのお話はこちらで

フェレットの悪液質とは?痩せるじゃない「やせ衰える」体に必要な栄養管理について
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さすけが少しずつ瘦せてきました。 と、X(旧Twitter)に投稿したら「何を食べさせていますか?」とご質問がありました。 他にも同じようなお問合せがきているので、今日は私がこれまで学んできたこと思う

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で、我が家のさすけの場合ですが

トイレ(おしっこの出方)が変わった

というのが(後から思えば)すごく分かりやすく出ていました。

多くの方のお話を聞いていると、この症状がでたらそうって事ではないし、また、これらの症状が全部でるというわけでもないし、どういう順番ででるとかもないし、症状から最初にその判断にたどり着くのはなかなか難しいです。

心臓や胸部の症状は、いきなりその症状に至るというよりは、気付かないうちに少しずつゆっくりゆっくり進行していって、あるきっかけ(例えば気圧など)を境に一気にそこへ至る(苦しくなる)というパターンが多いように感じますので、「なんかいつもと違う」「ちょっとおかしいぞ」と思ったら、すぐに病院へ連れて行ってあげて下さいね。

治療とは

多くの皆さんが自身の経験談を教えて下さいました。

こちらでそのままご紹介させて頂いています。

フェレット胸水(後編)最初はどんな症状?抜く?頻度は?どんな治療してる?皆のお家の実際の話
フェレット胸水(後編)最初はどんな症状?抜く?頻度は?どんな治療してる?皆のお家の実際の話

ちゃんと眠れたのか全く眠れなかったのかよく分からない状態のまま朝を迎え、病院が開く時間より30分くらい前から私はスマホを触ることが出来ずただジィっと画面を睨みつけていました。 さすけが無事に朝を迎えら

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治療については病院の方針もありますし、その子の状態(症状)によっての先生の考え方もあるので、一概に「こう」というお話はできません。

また、「これをしたら二度と溜まることはありません」みたいなお話も出来ませんが、一度でも胸水の症状が出た子、一度でも病院で「気を付けてあげてください」と言われた子たちに少しでもうまく付き合っていく方法を経験者飼い主さんたちに教えて頂いたのでここで共有したいと思います。

胸水とは「上手く付き合っていく」

お薬やサプリメントなどを使って、いかにうまくコントロールしていってあげるかが肝となってくるわけですが、このコントロールは「溜まらせないため」だけではないです。

出来る事なら完璧にそこを目指してあげたいのですが、胸水というのはその原因となる元の病気があるわけですからそちらへのアプローチをしつつ、「いかに溜まらないようにしてあげられるか、いかに排出できるようしてあげられるか、に気を付けながら、溜まったらすぐに強制的に出す(抜く)」というここまでのセットで「胸水のコントロール」となります。

胸水が溜まると肺を圧迫するので苦しいです。その状態は見てすぐ分かります

浅表性呼吸(せんひょうせいこきゅう)といって、浅くて早い呼吸です。

これは例えば、急にダッシュをして息が荒くなって「はぁはぁ」と呼吸をした経験が皆さんにあるかと思いますが、その状態です。

パニック発作などでも起きる症状(過換気症候群)ですが、そういう時「大きくゆっくり呼吸をしてください」と言われるかと思います。そうです、この「はぁはぁ」の時の一回の換気量は正常の換気量よりも少ないです。

常に「息切れ状態(酸素不足)」で、本当に苦しいんです。

そこからさらに大量に溜まると心臓を圧迫して心不全の原因になったりします。

最悪はそれで死んでしまいます…

上の動画はほんの数日前の検査で「うまくコントロールできてる。いい状態です。」と言われたばかりのさすけです。

さすけは毎週、胸水の溜まり具合を診てもらっていて、2週間以上「全然たまってない。良い状態。」をキープできていたのに、たったの3日で55mlも溜まってしまいました。

※血液などの写真が苦手な方はクリックせずにお進みください。

いつ溜まるか分からないからと言って、数時間おきに溜まっていないかをエコーやレントゲンで毎日ずっと確認するなんて話は現実的ではありません。

では、どうしたら良いのか…

その子の記録をつける

私はこちらを参考にして記録をつけています。

胸水・腹水を管理する上では、日記をつける、ととてもパターンが読みやすくなります・フェレットの胸水がたまってしまった「前日と当日」の気圧や温度をスマホのアプリや気象庁のサイトで調べてください・お薬投与している場合、前日当日に下痢はしなかったか?・ご飯の食べ具合はどうだったか・熱はあったか?体温は低くなかったか?(発熱より体温が低い方がよくないです)・目の輝きはどうだったか?

これらを自分だけでわかるサインでもいいので、まめに記録をつけてみるとパターン化してるのが発見できます

引用:げんきいたち『腹水・胸水のフェレットのためのサプリメント

気圧についての注意

気圧も天気もこちらのアプリを持っていれば簡単にチェックできますので、まずはこちらを取得して頂いて

⇒『頭痛ーる

気を付けてあげて欲しいのは、「爆弾低気圧」「低気圧に注意」等々、低気圧にばかり焦点がいきがちですが、この子達の胸水コントロールに必要なのはそこじゃないです。

あくまでも「その子の胸水が溜まりやすい状況を知ってあげること」です。

気圧が下降する時に溜まりやすい子もいれば、上昇する時に溜まりやすい子もいます。

その子はどうなのかを知ってあげて下さいね。

体温について

メモ

❝フェレットの平均的な体温❞

健康な子 38度台
シニア  37度台
心臓の悪い子 36度台
死を意識する体温  34度以下

体温については、私は抱っこの時の温度でなんとなくで済ませてしまっていますが、体温計を使っている方たちはこういう「ピッ」と測れるものを使っていることが多いように思います。

トイレについて

胸水の子はほぼ「利尿剤」が処方されているかと思いますが、さすけもそうです。

初めのうちは慣れない尿量にお腹がびっしょりになってしまう子もいるかもしれませんが、それは心配ないです。

清潔なウェットティッシュ(※この子達に安全なペット用か赤ちゃんのお口拭きが良いです)などでその都度拭いてあげて下さいね。

さすけの尿量を計測していて気が付いたのですが、少しずつその量が減ってくると同時に、尿漏れというか、歩きながらじょろじょろ出ていたり、なんというか尿切れが悪くなっていったり、そんな変化が出始めるようになりました。

フェレット尿量の計測の仕方

計測といっても一日のうちに何度かシートの重さをはかるだけです。

ココがポイント

「尿量が少ない⇒その分が胸水として溜まっていく」
という一方向な考え方だけではなく

「胸水が溜まり始めて苦しいからもう踏ん張れなくてトイレで全部を出し切れない⇒動いた拍子(歩きながら等)に尿漏れのように出てしまう」
という場合もあることをちょっと頭に入れておいてあげると目安になるかなと思います

さすけの例

詳細はまた別の記事でお話させて頂きますが、さすけが最初に「胸水」の診断を受けてからもう三ヶ月です。

その間、抜いてもらったのは3回。

溜まる感覚はまちまちです。(さすけは気圧が落ちる時に溜まりやすい傾向にあります)

食欲不振は一度もなく、最初の時には少しあった咳も、2回目3回目にはありませんでした。

「今日はちょっとおしっこの量が少ないぞ」と思ってから半日くらいで、おしっこの様子がおかしく(尿漏れのような回数が増える)なっていって、そこから半日くらいで「呼吸がおかしい」になります。

そこくらいまでなら、頓服としてもらっている強い利尿効果のあるお薬で「あ、大丈夫だったか…」とケロっと調子が戻ることもありますが、それが効かずに「あれ、苦しそうだな」となったら、半日足らずでこんな風に(浅表性呼吸(ハァハァと浅く早い呼吸) 、頭を上げたまま下ろせない、険しい表情)もう見ていられないほど苦しそうな状態になってしまいます。

この時は、すぐに病院へ駆け込みました。

この3ヶ月でだいぶさすけの体の状態を把握できるようになってきましたが、そのデータを活かして今後も気を抜かず、まだまだ快適な日常が少しでも長く続けられるようしっかりと様子見を続けていってあげたいと思います。

みんな頑張ろうね!みんなで頑張ろう!

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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