フェレット飼育ノート

いたちのおうちの覚書

アメリカミンク(特定外来生物)

基礎知識

フェレット【実際の写真で比較】ハクビシン・野生のイタチ・ミンクが見分けられないのは普通

投稿日:

日本の自然に「野生のフェレット」という生き物はいません。

ペットのフェレットはそのほとんどが(すでにペットショップへ来る前に)不妊手術済であるため、飼い主が知らない間に繁殖するという事もありません。

野生にはおらず、きちんとした管理の元でしか繁殖もされていないのが日本のフェレット事情ですから、本来であれば「野良」というカテゴリーさえ無いはずなのです。

多分、この子達がいきなり街中や自然に放り出されたら、全く人の手が無い状態で何ヶ月も何年もだなんて、そんなに長くは生きていけません。

食べ物が無いこと、誤飲・誤食の事故、交通事故、その他諸々の諸事情で、数日で死んでしまう可能性の方が高いです。

「うちの子がいなくなりました」からたったの数時間後に「外で死んでました」として発見される事だって決して珍しい話ではありません。

だからもし、街中や公園など、いわゆる屋外で「フェレット」を見かけたら、その子は遺棄や迷子から、そんなに時間が経っていない「人慣れしているペット」だと思って下さい。

そうでなければ、人に懐かせてはいけない「フェレットに似た野生の動物(自然繁殖した、または何かしらの理由でそこにいる特定外来生物等含む)」です。

ここからはフェレットの保護活動をしている人間からの「一方的なお願い」が過分に出てきます。

「できたら協力して下さい」という内容が濃くなりますので、押し付けがましい表現にもなるかとは思いますが、どうか最後までお読みいただき、ほんの少しだけでも「フェレットの事」を知っておいて頂きたいのです。

スポンサーリンク

野生・特定外来生物…捕獲するだけが「保護」じゃない事情

誰しもがそこにいる正体不明の動物をひょいっと捕獲して『適切な』保護の体制に入れるなら、それに越した事はありませんが、多くの方が多くの場合、そういう訳にはいきません。

日本の法律では特定外来生物(アメリカミンクやマングースなど)は、その飼養、保管、運搬、などといった取扱いが規制されています。

詳細はあれですが、これは、名目はなんであれ、捕獲など人の手が一度関与したら、「もうそこにいさせてあげる事は出来ません。だからと言ってどこか別の場所へ勝手に移すことも、一般での飼育もしちゃいけません=しかるべき人がしかるべき場所で~」という事です。

また、一番フェレットと間違われる事が多い「ハクビシン」については在来種ではないかとする説もあり、はっきりと外来種という扱いなわけではありませんが、地域によっては「駆除の対象」とされている動物でもあります。

だから、一言で「保護」と言っても、その辺の事情がとても「ややこしい」のです。

なので、もし「フェレットかも」と思う動物を見かけたら、まずは「フェレットらしき動物がいた」と声をあげて欲しいのです。

※それが野猫だった場合には「場所を公開してはいけない」「それは止めてくれ」などと声がかかる事が増えてきましたが、フェレットの保護活動をしている私としては「フェレットは(似た何かでも)そうして欲しい」と個人的に思っています。

その辺もややこしい事情ではありますが、フェレットの保護活動をしている立場として、ここでは強気にそう言います。

だって、

迷子や遺棄された動物たちの回収や引き取り業務を行っているのは民間業者以外では「市役所」の一部や「愛護センター」が頼れる場所…で、ある場合もありますが、「フェレットの扱い」が、その地域ごとによってまったく違うのが今の日本の現状です。

また、それらの「営業時間」という壁もあります。

じゃあ、フェレットの保護活動者って誰よ?どこに連絡したら良いの?面倒くさいなぁ…

なんてやってるうちにその子はどこかへ行ってしまうかもしれません。

もう本当にややこしい事情だらけだったりするのが「保護」だったりするから、せめて、少しでも面倒くさいと思われないように、多くの方に受け入れてもらえるように、

ただ見かけただけの善意のあなたにそんなに色々多くの事を「ちゃんと調べて!その通りにやって!お願いね」だなんて言いません。

「どこどこにフェレットみたいなのいる、なう」(※「なう」とか、もう言わないそうですけど)って言って下さい。

実はこれが、今現在での「フェレットの保護」の「きっかけ」ナンバーワンなんです。

「捕獲(直接の保護)は出来ないけれど、フェレットみたいなのを見かけた情報をSNSで拡散する」

投稿主さんは軽い気持ちでのそれなのかとは思いますが、実はその軽い気持ちでしてくれた事が、命を繋ぐ大事な一歩目となる事が本当に多いのですよ。

それぞれの特徴はこんなに違うよ!

提供:フェレット作家「いたチカ。」さん

※「〇〇を見かけたら警察や愛護センターに連絡して下さい」は、迷子ペットのポスターには必ず掲載すべき定型文です。

これは「フェレット(=迷子ペット)である事が確定している」と想定したうえでの『ポスター』ですので、ご理解下さい。

出来たらこうして欲しい「フェレットみたいなのいた、なう」(保護に繋がりやすいSNS投稿の仕方)

遠目からでも良いです。ブレていても構いません。その子の写真を撮って欲しいのです。

「ハクビシンの可能性はありませんか?」

「いや、あれはハクビシンなんかじゃない!絶対にフェレットです」

というやり取りがあって、現場へ駆け付けたら、「結局、ハクビシンだった」という話は実に多いです。

これは、ごく一般的な

「なんとなくなハクビシン」のイメージと

「なんとなくなフェレット」のイメージ

この2つのイメージがそれぞれ「全然違う生き物」としてインプットされている方が多いから起こる事です。

これまでに何度も何度も聞いてきました。

ハクビシンじゃないと言い張る目撃者さんに実際にフェレットを見てもらったら

「えっ!?フェレットってこんなに小さいの?じゃあ、違うや」

フェレットだと言い張る目撃者さんと一緒に捜索中「あっほら、あそこ!」って指さされた先にいたハクビシン…

でも、それは仕方が無い事なのです。

その違いを知っておいて下さいなんて事は言ってませんし、これからも言いません。

ハクビシンでもアライグマでもタヌキでもイタチでも、何でも良いです「フェレットかも」と思ったら、そのまま教えて下さい。

「違ってたらどうしよう」とは決して思わないで下さい。

違ってて良いんです。

「保護しなきゃいけないフェレットはいなかった」

保護活動者として、これが一番、嬉しい事ですからね。

ハクビシンと見間違える理由~区別がつかなくて当然~

多くの方が持つハクビシンのイメージはきっと、

こんなお顔で

こんな感じ

このままなのだと思います。

いや、これが、「ハクビシン」ですから、それで良いんです。

何も間違っていません。

はいっ、じゃあ、これ!

お分かり頂けますでしょうか?

この子達の外での目撃情報が一番多い時間帯に合わせて暗~く加工をしてみましたが、パっ見ただけで、どれが何だか分かりますか?

この子達とよく間違われる「野生のいたちは小さい、ハクビシンは大きい」というのは、あくまでもフェレットという基準を持つ私たちが持っているサイズ感です。

普段から大型犬に親しみがある人には、ハクビシンだって「小さい生き物」だと感じるでしょう。

また「猫と比べて」で、猫にそんなに親しみがない人がその時に頭に浮べた猫のサイズと、一瞬、通りの向こうを横切っていった謎の生き物との正確な大きさの比較は出来ていない事がそのほとんどだったりします。

なので、「フェレットかそうじゃないか」は具体的なサイズ感があやふやな状態では分からなくて当然なのです。

ましてや、薄暗い中での事だったりしたら余計に、なんとなくなイメージから推測した大きい小さいや、色などといった抽象的な感覚で判断したら、間違うことの方が多いです。

なので、はっきりフェレットかそうじゃないかが分かる人にその判断ごと丸投げしちゃって下さい。

「分からなくて良い」んです。

分からないながらも、「フェレットかもしれない」と思って、「何とかしなきゃ」と行動を起こしてくれるあなたが一人でも多くいて下さるこの現実が私たち保護活動者にとっては本当に救いとなります。

だから、出来たらで構いませんので、少しでも「その子」が写っている写真を掲載して欲しいのです。

※止めて欲しい事

時々、「フェレットみたいなの見た」という投稿に「フェレットの写真」が付いているのを目にする事があります。

その後に続くやりとりを見ると「拾い画」である場合が多いです。

もちろん、そこには悪気なんて無いのでしょう。

むしろ分かりやすいようにと思ってそうしているのかもしれませんが、上記のように、その生き物は「フェレットでは無い」場合の方が多いですから、「その子じゃない」写真を貼るのは紛らわしいだけなので、是非とも止めて欲しいなぁって思います。

実際に現場へ向かう(捜索を得意とする)活動者さん達から聞くお話しでも、「その子以外の写真を載せられると(投稿を見てお手伝いにきてくれるだけの人もいたりするから)現場での情報が錯そうして探しづらくなる」のだそうです。

フェレットかどうか分からない生き物の目撃情報に「フェレットだと確定させる」ような情報は載せないで下さい。

「その子」の写真がないのなら、文字のみで「見たままをそのまま」書いて頂ければ大丈夫です。

そこから先、例えば「捕獲に協力して下さい」などとして、そこにいた生き物が確実にフェレットだと分かって、「フェレットとはこういう生き物です」とする必要が出てきたら、そういうポスターは保護活動者が作ります。

命のバトンを繋ぐためには「正しい情報を正確に」伝えていく事がまず第一だとご理解頂けたらと思います。

※「拾い画」という名で、どこかのお家の子を無断でネットに転載するのは止めましょう!

※上載の「ハクビシン」は、それぞれの場所から転載許可を得ています。そのお話しはこちら『ハクビシン?いたち?フェレット?の見分け方【ポスター完成までのあれこれ話】ありがとう』で、ご確認ください。

フェレットかも、なう(保護へ繋げるためのSNSへの投稿の仕方)

実際の例

急いで捕獲に行ってくれたSちゃんありがとう!

こちらは、お家に帰してあげられたニョロのお写真です。

こんなにくっきりハッキリ「フェレットです」と写っていても、知らない人には「めっちゃこっち見てる生き物」でしかありません。

一番の特徴である「長い胴体」が写ってないんですもん。

分からなければ「分からない」として下さい。

上記の通り、「正しい情報を正確に」伝えて欲しのです。

一度、そういう情報を投稿すると、後から後から(心配して色々な)質問が飛んできます。

その時、分からない事や不明瞭な事は答える必要はありません。

また、発信した情報が「古く」なった時には、その情報を訂正するか削除するなどまでして頂けるとより良いかなって思います。

言ってしまえば、写真(撮れなければ無くて構いません)と

  • その子の特徴
  • 見かけた場所
  • 日時

だけで十分です。

その時、「保健所に連絡をして下さい」などと、コメントをする人を見かけますが、その方がその保健所とやらとそういうやり取りを実際にかわし「そうするように手はずが整っている」事はまずありません。

保健所と愛護センターの区別もついていない方からの「保護に関するアドバイス」はスルーして頂いて結構です。

その違いはこちら『保健所と愛護センターの違い』で詳しく説明させて頂いています。

ある一定までは公の場でやり取りをして欲しい理由

第一情報発信者様とそういうコメントのやり取りをしていると

「保護活動してますアピールうざい」とか

「そんな話はDMでやれ」みたいな素っ頓狂なご意見が飛んでくる事がありますが、いきなりDMで話を持ち掛けてくる「保護活動者」には注意して下さい。

私たちが公の場で、「保護活動者」だと名乗り、その場でそういうお話しを進めさせて頂くのは、もちろん、一人でも多くの方の目に留めて頂き、その後の協力をお願いしやすくするためでもありますが、「保護」という行為に責任を持つためでもあります。

猫のそれで大分、一般的に知れ渡ってきた「黒むつ(ブラックムツゴロウさん)」達の中には、そうやって、町でみかけられた猫ちゃんの情報をコソコソと集めて、拾ってきて、あんな目に合わせている人間がいるのですよ。

フェレットがその対象になる事だってあるかもしれないのです。

黒むつ(明らかなる虐待目的)では無いにしても、コソコソと「フェレット集め」を趣味としている自称保護活動者は実際にこれまでにも何人か見てきました。

正規の手続きを踏まずそのまま「ねこばば」という立派な犯罪行為に手を貸す事になりかねませんので、くれぐれもお気を付け下さい。

…なんて言っちゃいましたけど、その判断は投稿して下さったあなたの判断にお任せします。

DMの方がやり取りがしやすければ、それでも構いません。

ただ、そういう事もあるんだって、少し頭に入れておいて頂ければなって思うので、余計な話をしてみました。

アメリカフェレットと見間違える理由

日本にかつて毛皮用に連れてこられたアメリカフェレット

現在、日本にはそのためのファームはありません。

が、それらが閉鎖されたあと、生き残っている子達が野生化しているそうです。

今日のアイキャッチ画像は北海道の某所で撮影されたお写真です。

北海道では、フェレットは「特定移入動物」という扱いなので、飼う時には知事宛の届出を提出する必要があります。

そのため、他の都府県に比べて、フェレットの遺棄や迷子が極端に少ないのですが、こうして野生化したアメリカフェレットの目撃情報がたまにあります…

アメリカフェレットは特定外来生物に指定されています。

「見かけたらどうしたら良いのか」は私には、何とも言えません。

ので、この子が投稿された時の事をお話しとして残しておきます。

ネットってすごい!必ず知ってる誰かがいる!

中国地方で活動されてる保護活動者さんから「某所にこんな投稿がありました。フェレットではないという声もあります。どう思いますか?」というような連絡がありました。

北海道という場所柄フェレットではないんじゃないかってすぐに思いましたが、はっきり言って自信がありませんでした。

さっそくその投稿を見に行ってみたら、

『鼻とか骨格とか獲物獲って野生で生きてるところを見る限り、フェレットじゃなくてほぼ確実にアメリカミンクだと思うので、捕獲しないように…特定外来生物です。』

と、すでに注意喚起が出されていました。

その投稿は九州で活動されている保護活動者さんからのもので、私が知る限りの中で彼女の知識量は1位2位くらいに半端ないです。

彼女からの情報に私は絶対的な信頼を寄せています。

ので、瞬時に解決という事で異議なし!!

さすがフェレ飼いネットワーク♡って思いました。

そこから、私がした事と言えば、投稿主さんに連絡をして、今日のこの記事に写真を使わせて欲しいとお願いしただけです。

快諾して頂いたうえ「頑張って下さい」とのお言葉も頂きました。

が、素性は隠して欲しいとの事でしたので、今ここでの御礼に留めます。

フェレットの保護活動の今後のためにご協力を頂き、ありがとうございました。

アメリカミンクは限られた場所にしかいないはずだから…多分、大丈夫

平野部から山間部、果ては東京のネオン街でまで全国各地で目撃されるハクビシンとは違い、アメリカミンクは元々そういうファームがあった近辺にしかいません。

2010年頃、東北地方のある地域で相次いでアメリカミンクが捕獲された事がニュースになりましたが、その時も「超高密度の限定された地域でアメリカミンクが野生化・自然繁殖~」と報道されていました。

こういう言い方が正しいとは思いませんが、アメリカミンクについては「めったにない事だから、大丈夫です」とここでは言わせて頂きたいと思います。

※アメリカミンクも茶色・黒などカラーは様々です。

「白い子」という先入観を持たないようお願いいたします。

野生のイタチとの見分け方…???

この記事を書くにあたり、色々と調べていたのですが、まぁ、ビックリしました。

イタチの駆除を謳う会社のトップページにフェレットの写真が掲載されていたり、区別の仕方を教えますというサイトに「鳴き声で判断しろ」と書かれていたり…

フェレットがどういう時に鳴き声を出すのか、またその声の大きさも知らない人が「こうやって見分けましょう」って書いてるんだなって丸わかりです。

ここまでお読み頂いたら、もうお分かり頂けますね?

よっぽど詳しい人でもなければ「瞬時に見分ける」なんて、ほぼ出来ません。

田舎育ち(本人談)で野生のイタチを見て育ったという知人にえるちゃん(フェレット)を初めて見せた時、「これはなんていう動物?似てるけどイタチじゃないねぇ?」って言いました。

イタチを知ってる彼は「イタチかいたちじゃないか」の見分けは出来ます。

フェレットを知ってる私は「フェレットかフェレットじゃないか」の見分けは出来ます。

「見分ける」ってそんなもんなんですよ。

それだって間違えちゃう事だってきっとあります。

それで良いって思うんです。

何気ない一声「フェレットかもしれない生き物発見!なう」がフェレットの命を救う大事なきっかけになるって事を知っておいて頂けたら、それだけで、この記事の意味があるかなって思います。

おしまいに

脱走・迷子ならいざ知らず、どんな事情があろうと「捨てる」なんて事は許されませんからね!

どうしても飼えない事情の時には、いたちのおうちがいつだって相談に乗ります。

頼って下さい。

一人で悩んで決めてしまわないで下さい。

もう、こんな悲しい子を見たくはありません:「動物の遺棄は犯罪だから」じゃない!フェレットをその辺に置いていかないで!捨てないで!野生では生きていけないからでもない!この子達は「人の手が無いと死んでしまう生き物だから!!」

-基礎知識

Copyright© いたちのおうちの覚書 , 2018 All Rights Reserved.