フェレット飼育ノート

いたちのおうちの覚書

little patch(モデル:もずくちゃん)

病気

フェレット【目が見えなくなる病気】白内障・進行性網膜萎縮症(PRA)について

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フェレットはもともと視力が弱い生き物です。

だから、「目が全く見えていない」事に、飼い主さんが気づかない事もあります。

健康診断でそう言われて、初めて知って「いつから見えていなかったのだろうか」と、その場で考え込んで、「気付いてあげられなくてごめんね」と泣き出してしまう飼い主さんもいるそうです。

その気持ちは痛いほど分かります。

そうなったらきっと、私も同じ言葉が出ると思います。

ですが、今日はそういったお話しでは無く、この子達の「目の病気」について、「正しい知識を持っておいてあげて下さい」というお話しになります。

獣医さんによっては、一般的な通常の検診の範囲内では、「目が見えてるか見えていないか」だけを積極的に調べる事をしない場合もあります。

それは、「単純に目が見えていないというだけ」の場合において、その奥に重大な疾患が隠れているというケースは少ないとされているからです。

「目が見えていないんじゃないか」という診断がおりる時は大抵の場合、何か他の疾患があって、調べてみたら「目も見えていない」という事に繋がる事が多いです。

それくらい、目が見えていないというだけの状態は、日常生活には何も支障が無いという判断も、もちろんあるのだと思います。

だからと言って、「薄っすらとでも見えている(視力が弱い)」のと、「まったく見えていない」のとでは、やはり違うと思います。

それに、早くから気付いてあげられれば、飼い主としてしてあげられる事も増えてくるかと思いますので、是非、心構えとしてお読み頂ければと思います。

目の構造

①結膜
②角膜
③瞳孔
④虹彩
⑤上直筋
⑥硝子体
⑦網膜
⑧視神経
⑨強膜
⑩下直筋
⑪水晶体
⑫毛様体小体
⑬毛様体

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フェレットの白内障とは?

今日のアイキャッチ画像(一番上の画像)のもずくちゃんは8歳(シニア)の女の子です。

水晶体が完全に白濁しているのが一目で分かります。

水晶体とは、上図で表す『⑪』

本来であれば、この⑪水晶体は、無色透明です。

その水晶体が何らかの理由で白濁した状態を白内障と言います。

白内障の原因、水晶体が濁るとどうなる?

老化現象の1つなど、何らかの原因で水晶体を構成するタンパク質が変性し、水晶体が光を通さなくなる事によって、「目が見えない」という状態=「視力が失われていく」というのが白内障という病気です。

老化現象の1つにもそれがあるというだけで、タンパク質の変性が原因なので、片側の目だけに発症する事もあるし、当然、若くても発症する事もあります。

※これは人間でもこの子達でも同じです。

老化現象以外の原因

  1. 遺伝性白内障
  2. 外傷性白内障
  3. 糖尿病性白内障
  4. 栄養性白内障

1、の「遺伝性白内障」は生後1年以内での発症が多いとされています。

2、はケガなど外側からの要因でそうなる事もあります。

3、この子達が「糖尿病」を自然に発症する事は稀です。その詳細はこちら(フェレットの糖尿病とは?)などでご確認頂ければと思います。

4、の「栄養性白内障」については、人間やその他の動物では「栄養失調状態の場合はビタミンEやタンパク質欠乏などするため」とされてきましたが、現代の日本で「栄養不足」というのは、そんなに多くは考えられません。

なので、今(特にペット達の場合において)は、

酸化した脂質によって活性酸素が作られて水晶体のタンパク質が劣化する

ビタミンAの欠乏

が原因ではないかとされています。

※ビタミンAというのは上図『⑦網膜』を構成する細胞に必要な成分です。

よって、

  • 酸化した(古い)フードを与えない
  • 栄養バランスのいい食事を与える

事が、栄養性の白内障を防ぐ事に繋がるという事になります。

と同時にこれは、

「老齢性の白内障になる時期(発症)を遅らせる事に繋がるかもしれない」とも言われています(獣医談)。

ただし、老齢性の白内障は、あくまでも「老化現象の1つ」なので、それを「完全に予防する」という事は現実として不可能なお話しです。

白内障だと分かったら

発症初期は目に光を当ててみると水晶体が白っぽく見えます。

が、この時期に気付いてあげられる事は少ないかもしれません。

徐々に、光を当てなくても白濁しているのが分かるようになり、進行すると完全に白濁します。

もずくちゃんの場合も、「白内障」だという事は、ずいぶん前からそう診断(2016年から副腎疾患・インスリノーマで闘病生活を送っています)されていたそうですが、私は、そう言われなければまったく気が付かない程度の白濁でした。

今日のお写真のように、「どの角度から見ても、いつ見ても、誰の目にも明らかに」白濁が分かるようになったのは、「ある時(2018年になって)から急に」一気に症状が進んだように思います。

その時の「視力」としては、白濁が進むにつれて徐々に衰えていき、完全に白濁した時、完全に視力を失うという事になります。

ただし、どの段階であっても、それが「白内障」であった場合、病院での治療は限られています。

病院での治療

「白内障の治療」というのは投薬か手術のみです。

そのお薬も、濁りを抑える点眼薬でそれ以上の進行抑制を行うというだけのもので、「治す」ためのお薬ではありません。

進行した白内障を「治す」には手術をする以外の方法が無いのです。

ただし、その手術というのは、人間以外の身近な症例ではワンちゃんでのお話ししか私はまだ聞いたことがありません。

フェレットでの手術例もあるにはあるのだそうですが、今後もそれが一般的になる可能性は極めて低いとされています。

フェレットはもともと視力がそれほどよくなく、嗅覚や聴覚、その他の感覚に依存しています。

もし、視覚を失うとしても日常生活に支障はなく、その手術を受ける事の方が生体の負担になる(=リスクでしか無い)

と、獣医さんによる説明がありました。

また、私が知る限りの例にはなりますが、

  • もともとの視力が弱い
  • 治るわけでは無い
  • 毎日の点眼薬投与がストレスになるんじゃないか?という考え
  • だったら、「薬」は極力避けたい

などなどの理由によって、「ただ進行を遅らせるだけという行為にあまりその重要性を感じられない」という判断で、投薬はしないという飼い主さんが多いような気がします。

そういう飼い主さん達は皆さん、「投薬はしないけれど、日常生活で気を付ける」に重点を置いていらっしゃいます。

それについては、下記「見えていないと分かったら」を参考にして頂けたらと思います。

そして、同じように「見えなくなる目の病気」でも、白内障のように、外から見ただけでは分かってあげられない目の病気の1つ「PRA」というものがあります。

フェレットの進行性網膜萎縮症(PRA)とは?

読んで字のまま『網膜の組織が変質して萎縮することによって、視力が衰えたり失明する病気』です。

『網膜(上図⑦)』とは、眼底にある薄い膜のことで、『瞳孔(上図③)』から入った光を感じ取り、『視神経(上図⑧)』を通じてその刺激を脳に送ります。

脳がそれを認識すること=「物が見える」という状態なわけですが、この「光を感じ取る事が出来なくなっていく病気」を発症すると、まずは、薄暗いところで目が見えない『夜盲症(俗にいう「鳥目」』という状態になります。

最初の(慣れない)うちは、薄暗い所で物でつまずいたり、不安そうな様子を見せるようになったりします。

進行すると、徐々に明るい所でも物が見えなくなっていくというのがこの病気の特徴です。

このPRA(進行性網膜萎縮症)は、「遺伝性じゃないか」とは言われていますが、まだ(2018年現在)はっきりとした原因が分かっていないため、予防法は無く、発症したら治療法もありません。

その昔、とある出身ファームのフェレットに多く見られたという話しがあり、そこでは「この病気の(遺伝子を持つ可能性がある)フェレットを繁殖に使わないように」というお達しがあったとか無かったとか言われていますが、海外での事なのでその詳細は分かりません。

が、確実にその数は減ってきているという現状から察すると、そういう事なのではないかと思います。

また、「タウリン不足が発症の引き金になる」という話しもありますが、それはあくまでも可能性の1つでしか無く、フェレットフードの多くにはきちんとタウリンが成分として含まれていますので、そこを神経質に心配する必要はないんじゃないかと思われます。

もし仮にこの病気だったとしても、またそうでは無いにしても、例えば白内障であったとしても

「目が見えていない」という診断を受けた時には、しっかりと日常生活対策をしてあげる事に力を入れてあげて欲しいと思います。

「見えていない」と分かったら

フェレットがこちらを見ているので、こちらは「見えてる」と思い込んで、体を急に触ったりした時に一瞬でも驚いた様子を見せるという子は、もしかしたら、目がよく見えていない状態なのかもしれません。

ただし、それは本当に一瞬の事です。

もともと、嗅覚や床の振動などの感覚でその情報を得るのが得意で、人の声を聞き分けられ、物事を瞬時に判断できる賢くて可愛い生き物…

それがフェレットですから、徐々に目が見えなくなっていく中で、きちんとそれに順応していくので、それまでの生活と極端に何かが変わる事はありません。

だから、飼い主さんがそれに気付かない事が多いのです。

なので、その、「この子達の順応」に合わせてあげる事が対策の肝となるのです。

具体的な対策とは?

  • ケージやお部屋(放牧スペース)のレイアウトを変えない
  • 体に触れる時には声を掛けてから
  • 床をトントンするなどしてこちらの居場所を知らせてあげる

これだけ?と思われるかもしれませんが、これが重要なのです。

もちろん、勘も頭も良いこの子達ですから、すぐに環境の変化にも慣れてはくれます。

ですが、やっぱり、「目が見えていない」という事に配慮してあげるのなら、模様替えは少しずつにしてあげた方が良いです。

少なくとも、ご飯とお水の位置関係とトイレの場所は出来る限り変えないであげて下さい。

また、

急に抱き上げたからと言って、それが大好きなあなたの手だという事はすぐに察する事が出来るこの子達なので、これもそんなに支障は無いかとも思いますが、

(これは、目が見えてる見えていない関わらず)その子を「驚かせない」ためには、やっぱり抱っこをする時には、ちゃんと名前を呼んで一声かけてからにしてあげて欲しいなって思います。

まとめ

今日のお話しは「病気」について、その要点だけをまとめた記事となります。

もっと詳しいお話しについては

フェレットの白内障【「認識できてる=見えてる」じゃない】気を付けてあげて欲しいこと

進行性網膜萎縮症(PRA)とは?目が見えていないフェレットは意外と多い?

などで、それぞれご確認頂けたらと思います。

多少、重複する部分もありますが、より詳しくご理解頂けると思います。

また、視力に頼らなくても日常生活に支障なくこの子達がいられるのは「ヒゲ」のお陰でもあります。

この子達の「ヒゲ」は鼻の横から生えているそれの事だけを指しているのではありません!

どの毛がその「大事な毛」なのか、今一度、その役目も含めて知っておいてあげて欲しいと思います。

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