フェレット飼育ノート

いたちのおうちの覚書

開腹手術を頑張った寿々丸くん

病気

フェレットが吐いた!嘔吐の原因(胃炎・胃潰瘍・中毒・消化管内異物・他)とは?

更新日:

毛玉を上手に吐き出せる猫ちゃんとは違い、フェレットの体にそういう機能は備わっていません。

この子達が「吐く」というのは、そういう体の仕組みなのではなく、体内で何らかの異常が起きている事を表しています。

「うちの子が吐いてしまった。どうしたら良いですか?」とお電話を頂く事などもありますが、たいがい、そういう時の飼い主さんは大慌てしています。

良いですか?まずは落ち着いて!

「フェレットが吐くというのはよっぽどの時だ」

「嘔吐という行為は体にものすごく負担をかける(体力を消耗させてしまう)」

等の知識が先行しすぎて

「どうしよう」「なんとかしてあげなくちゃ」って、気が急いたり、動揺してしまうのは分かります。

私にも経験があります。

だから、言います。

嘔吐したその場ですぐにその子の体に特効薬的に効く何か(してあげられる事)はありません。

だからまずは落ち着いて下さい。

落ち着いて、してあげられる事をしましょう。

  1. 吐しゃ物の写真を撮る
  2. 吐いた時間とその状況をメモする(ご飯を食べていて、どこかから転落して、等)
  3. その子の様子を見ながら(ぐったりしていないか、鼻や肉球の色、等)
  4. 少し時間が経って、吐しゃ物が乾いた状態の写真も撮る

この間に、病院へ「すぐに」行くべきか、様子見で良いのか、翌日には病院へ行くべきなのかの判断をしましょう。

その判断には、その嘔吐が初めての事なのか、最近の体調はどうだったのか、等々、考慮すべき点がいくつかありますので、今日はそういった判断の基準になりそうな点のお話しをさせて頂こうと思います。

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フェレットが吐くのはどんな時?嘔吐の原因や理由その他を知っておこう

嘔吐にビックリして慌ててしまうのは、多分、それが一回目の事だからだと思います。

突然くる「どうしたら良いですか?」のお電話で詳しくお話しを聞かせてもらうと、ほぼ全員が

急に咳みたいなのをしはじめて、大丈夫なのかな?って様子を見てたら吐いちゃった」って、おっしゃいます。

「今までそんな事なかった」

「初めての事で…」

って、泣いちゃう飼い主さんも多いです。

不安な気持ち、分かります。

そういう時の咳って、今まで聞いた事がなく飼い主がビックリするくらいすごく苦しそうなんですよ。

「死んじゃうかも!どうしてあげたら良いの?助けて」ってなっちゃうの本当によく分かります。

ご飯を食べている最中に+むせて(咳して)⇒嘔吐

その後もまたご飯を食べ始めたり、お水を飲んだり、遊びだしたり…と、『普通に』し始めたら、それは大丈夫な嘔吐です。

安心して下さい。

その時に「口から出た吐しゃ物を食べようとした」なんてお話しを聞く事もあります。

食べさせちゃって良いですよとは言いません(衛生的に)が、この場合に限ってはそれを食べてしまったからといって、何かの問題になるような事はあまりありませんから、どうか落ち着いて下さいね。

その吐しゃ物は「白っぽかった」とか「泡のような」状態だったり、明らかにフードがそのままという事が多いんじゃないかと思います。

写真を撮って(食べちゃってたらあれですが)、その子の様子を見ていてあげて下さい。

食事を再開したり、何もなかったかのように、普段通りにしていたら何も心配はしなくて大丈夫です。

乾いた吐しゃ物はきっと、少しのご飯のカケラを残して蒸発していますので、こびりついてしまう前に拭き取ってあげて下さいね。

過去の(相談)事例はこちら:実録いたちのおうち24時『フェレットが突然、吐いた!』など

大丈夫な時の嘔吐(実例)

これは、食事から4時間くらい経過していた時です。

眠っていたのに飛び起きて突然、ヒクヒクなって、吐いてしまいました。

1回目

いったん落ち着いたように見えましたが、そのまま様子を見ていたら、

一度目より少しサラっとしたものでした。

2回目

この時にもらったアドバイスとして

  • 熱があるかばかり気にする人がいるけれど、吐く時は(経験上)お腹のあたりが冷たい事がよくあるから、体が冷えていないか見てあげて。
  • 脱水しちゃうといけないし、ミルクとか飲めるかどうか試してみて→飲むなら、そんなに気持ちが悪いわけではないと思う。
  • 体が冷えて(高齢の子に特に増える)たり、気圧の影響で自律神経を崩したりして胃が動かなくなって吐いちゃったのかも

とありました。

また、こういう時の嘔吐は「だいたい3回くらいで終わる(あくまでも経験則)」というアドバイス通り、エルもきっちり3回で落ち着きました。

大好きな温かいミルクを飲ませて、その後3回程ウンチのチェックもして、異常ないかなって判断で落ち着いたので、この時のえるちゃんを「大丈夫な嘔吐の実例」として載せました。

もちろん、これと同じように見えたからといって安心はしないで下さいね。

それが5回も6回も続くようだったり、ぐったりし始めたりするようなら、速やかに病院へ連れていってあげるべきだと私は思います。

また、下記のような症状が出始めていたら、それは安心してはいけない嘔吐の可能性の方が高い場合がありますので、必ず、最後までお読み下さいね。

くれぐれも、まずは落ち着いて!ですよ。

嘔吐が病気の症状の場合

上記のように突発的な嘔吐ではなく、嘔吐の他に

  • 食欲が落ちてきていた(または全く食べない)
  • 最近、元気がなかったような気がする(または寝てる時間が極端に長くなった)
  • 急激または少しずつでも明らかに体重が減ってきた
  • うんちが安定しない(黒い便やウンチに血が混じる、ウンチが細くなった等)
  • 歯ぎしりをしている事がある
  • よだれを垂らしている事がある

これらの症状のうち、どれか1つでも当てはまるような事があれば、すぐに病院へ連れて行ってあげて下さい。

胃潰瘍・胃炎の疑い

この子達の中には、我々、人間と同じように、ストレスにとても弱い子がいます。

参考⇒フェレットのストレスって何?

人間の胃潰瘍や胃癌などの原因の1つとされるヘリコバクター・ピロリ菌とは異なる種類ではありますが、この子達もその多くがヘリコバクターという胃炎や胃潰瘍の原因とされる細菌を保菌しているのです。

また、後述の消化管内異物が潰瘍の原因となる事もあります。

胃炎や胃潰瘍での嘔吐の場合、「胃液」が多いのですごく酸っぱいニオイの吐しゃ物である事があります。

胃炎や胃潰瘍は人のそれと同じで「処置さえすればその場で治る」ような症状ではありませんが、きちんと投薬する事で症状を軽くしてあげる事ができます。

胃炎や胃潰瘍の症状やその他についての詳細はこちら『フェレットにも胃潰瘍や胃炎がある』等を参考にして下さい。

消化管内異物(誤飲・誤食・他)

消化管内異物というのは、食べて(誤飲・誤食後)すぐに嘔吐の症状が出るばかりでは無く、時間をかけてそうなっていく事や、何年も気付かないまま過ごし、数年経ってはじめて嘔吐の症状が出る事なんかもあります。

それがある日突然の嘔吐だったとしても、上記のような症状に何か1つでも思い当たる事があったら、その可能性を疑って早めに病院へ連れて行ってあげて下さい。

「思えばこの一年くらいでゆっくり体重が減ってきてた」なんてお話しを聞く事もあります。

何かを明らかに食べたという誤飲・誤食だけではなく、毛球症の場合でも嘔吐の症状が出るような状態はもう消化管内異物として開腹手術が必要な事が多いです。

今日のアイキャッチ画像の寿々丸くんも、誤飲・誤食に思い当たる事は無かったけれど、「嘔吐などの症状が出ているから」として何件も病院を回ったら、やっぱり消化管内異物だったとしてそのまま開腹手術に至りました。

寿々丸くんの症例をはじめ、消化管内異物という状態の説明や詳細はこちらなど参考にして頂けたらと思います。

参考
フェレット誤飲・誤食【消化管内異物について】応急処置でやってはいけない事

フェレットの事故で一番多く、また、その原因がそっこら中にあるのが「フェレットの誤飲・誤食による消化管内異物」です。 これは読んでそのまま、食べ物では無い物を誤って食べて(飲み込んで)しまい、それが消化 ...

続きを見る

嘔吐が中毒症状の場合

稀にワクチン接種や薬の投与後に「アナフィラキシー反応」で嘔吐する事があります。

予防接種の後は最低でも20分は病院の待合室やその近くで様子を見ていてあげて下さいね。

アナフィラキシー(急性アレルギー反応)

また、

など、(この子達にとっては中毒を起こす成分を含んだ)人間用の食べ物を間違って食べてしまったり

  • 植物(球根も含む)
  • 洗剤

といった、誤って口に入ってしまったものによってなどで、中毒を起こして激しく嘔吐する事があります。

この時は絶対に、「応急処置のやり方」としてネットで出てくるような事を参考にもたもた余計な事をしていないで下さい。

よくあるのが、『水を飲ませて胃の中の成分を希釈したり、牛乳を飲ませて胃に膜を張らせて胃壁を守り、毒物の吸収を遅らせるようにしてください。』等ですが…

そんな事をモタクサやっているうちに、間に合わなくなってしまうかもしれないし、下手をしたら、その行為でその子を死なせてしまう事になりますよ。

勝手な応急処置がダメな理由

例えば口に入れた物が

石油系の場合、牛乳を飲ませることでその吸収率が高まってしまいます。

逆効果なのです。

また、それが強酸性・強アルカリ性の塩素や洗剤だった場合には無理やりに吐かせるような事をしてはいけない場合があります。

お水をたくさん飲ませたら吐いてしまいますよ。

中毒を起こしている原因物質が何かも分かっていないのに、そんなリスキーな事をしてはいけません。

そもそも、激しく苦しがっている子にシリンジなどを使って無理やり水分を摂らせるという行為は慣れていない人にはとても難しいのです。

間違って気管に入ってしまったら、誤嚥性肺炎を引き起こさせてしまいます。

人間の子供や犬や猫の症例をもとに書かれている「応急処置」は、こういう一刻を争うような事態では使えないと思っておいた方が間違いないです。

体の大きさが全然違うのですから、「一刻を争う」その深刻さも全く違うのですよ。

応急処置は、病院へ行くまでに少しでもしてあげられる事って考えてみて下さい。

そう考えたら、ネットでモタモタ検索なんかしている時間はないってお分かり頂けますね?

その子の状態を冷静に把握しながら+病院へ行く準備をしながら

電話で直接「何をしながら向かえば良いか」かかりつけの先生の指示を仰いで下さい。

もう本当に…それだけは判断を間違わないで下さい。

どんな時でも「病院を頼る」事を一番に考えてあげて下さい。

こういう、中毒症状が出ている時などは特にです。

かかりつけの病院が診察時間外だったとしても、救急病院など、とにかく、頼るのは「まず病院」だと心得ておいてあげて下さいね。

そういう時のためにも、かかりつけ医以外に、何かがあった時には自宅から行ける範囲内にある救急動物病院を先に見付けておいてあげる事も飼い主として必要な心構えなんじゃないかなって私は思っています。

救急・夜間対応の動物病院について

実際に「フェレットを急患で診てもらった」と私が直接、飼い主さんからお話しを聞いた事がある病院はこちらなどになりますが…

JAMC(日本動物医療センター):救急・夜間診療のご案内(東京都渋谷区)

F&S動物救急:往診専門(p.m8:00~am3:00)

※F&S動物救急は元来「犬・猫専門」です。

「主治医動物病院の診察時間外で主治医からの依頼による処置治療・やむをえない処置治療に対応」(hpより一部抜粋)という事で、その子(フェレット)は診てもらえたのではないかと推測しています。

なので、そちらについては、かかりつけの病院と提携しているかどうかなどを事前にきちんと確認してからご利用下さい。

一番、良いのは、かかりつけの病院で、予め「救急の時はどうしたら良いのか」をきちんと相談しておく事です。

その時になって慌てて探すのではなく、健康診断や予防接種の時などに是非、先生と直接そういうお話しをして、備えておいてあげて欲しいと思います。

その他の嘔吐

「食べすぎ」や「乗り物酔い」で嘔吐したというニョロのお話しを聞いた事があります。

私は「フェレットは」

・お腹がいっぱいになったら、自分で食べるのをやめられる(吐くまで食べるような事はない)

・三半規管がどうちゃこうちゃ(失念)だから乗り物酔いはしない

と教わってきた世代なので、とても驚きました。

「獣医学的にどうこう」なんて事は、この際、どうでも良いです。

往々にして「一昔前の知識」というのは、そういうものだったりもしますからね。

飼い主さんが「うちの子はこういう理由で吐きました」と教えてくれたのですから、そういう子がいた事、フェレットがそういう理由で吐いてしまう事もあるってことを一人でも多くの方に知っておいて頂こうって思うんです。

「我が子が突然、吐く」って本当に驚いちゃう事なんですよ…

だから、1つでも多くの「そういう事があった」を知っておいて頂いて、いざという時に、飼い主として少しでも、その子のために冷静でいてあげられるよう、そのお手伝いにこの記事がなれますようにと願っています。

ただ、乗り物酔いを疑われた子も食べすぎ疑惑のニョロリンも、一度きりだったとか、すぐ治まったとかなので、「病院へは行ってない」って事でした。

それくらい「吐いたあとはケロっとしてた」そうです。

嘔吐というより…

「思いっきり踏んづけてしまった」

「高い所から落ちた」

その直後に「吐いた」という話を聞いた事もあります。

数件しか聞いた事がない症例ですが、亡くなってしまった例の方が多いです…

気を付けてあげていればそんな事にはならないはずなのに…って涙が出ます。

もし、同じような事故に遭わせてしまった時には、急いで、病院へ向かって下さい。

心臓マッサージや人工呼吸など、してあげられる応急処置はいくつか思いつきますが、それも「獣医師の指示を仰いでから」にして下さい。

内臓に大きなダメージを受けている事が考えられる場合、正しくない心臓マッサージは更なる内臓圧迫になりかねません。

すぐに病院で正しい処置が受けられるよう急いであげて下さい。

この場合は、冒頭にあげた「吐しゃ物を写真に撮る」は必要ありません。

とにかく急いで、病院へ向かって下さい。

…そんな事が起きてしまわないよう、常に気を付けてあげていて欲しいと思います。

まとめ

その子が吐いてしまった時、まずは落ち着いて下さい。

落ち着いて『先生に見せるため』に吐しゃ物の写真を撮りましょう。

「こんなに吐いちゃった」と多くの人にあなたのパニックを伝えるための写真ではありません。

どんな色でどんな形状で何が出ているのかって、先生が把握できるように分かりやすい写真が必要なのです。

その間もその子から目を放さず、様子を見ていてあげて下さい。

普段通りならそのまま様子見で大丈夫です。

少しでも変わった様子があれば、病院へ連れて行く準備をしながら先生に電話をして詳細を伝えて、「応急的にしてあげるべき事は何か」を聞いて下さい。

余裕があれば、その子の様子を時間と一緒にメモに残しておくとより良いです。

例)

9:30 遊んでいて突然吐いた

9:45 鼻や耳が赤くなってきたような気がする

9:50 呼吸が苦しそうに見える

10:00 痙攣がはじまる

…といった具合にです。

これも先生に診てもらう時の説明に役に立ちます。

病院へ向かう時は、持って行けたらで構わないので、ウンチも持っていけたら持って行きましょう。(ジップロックが役に立ちます)

上記では「様子見で良い」と書いた場合でも、一度でも嘔吐をしたならできたら病院へは行った方が安心かなって私は思っています。

次の健康診断の時でも構わないので、日付やその時の状況のメモと乾いた状態の吐しゃ物の写真まで全てを見せながら具体的に説明(相談)すると良いんじゃないかって思います。

どんな状況であっても、

慌てずに、冷静に、「大丈夫だよ、すぐに苦しくなくなるからね」って優しく声をかけ続けてあげて下さいね。

余談ですが

えるが初めて吐いた時、私は大慌てしました。

その時のアタフタオロオロの慌てっぷりはこちら『えるちゃんが吐いた!』で…

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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