フェレット飼育ノート

いたちのおうちの覚書

耳血腫ができたお耳(モデル:ルイくん)

病気

フェレット【耳ダニについて総まとめ】内耳炎から斜頸・外耳炎・耳血腫・その他

更新日:

「耳ダニ」「ミミヒゼンダニ」

フェレットの飼育経験者でこの言葉を知らない人はいません。

必ず一度は耳にした事があるかと思います。

そして、それは

「耳ダニくらい」という言葉で表現される事が多いです。

確かに「耳ダニに感染するくらい」の事であれば、その表現程度の事です。

感染力が強く、割と多く症例が見られるわりに、治療も容易なため、「耳ダニを怖がっていたら、どこにも遊びに行けないわ」という意味での「耳ダニくらい」です。

だから、そういう発言をされる方は、だいたい皆さんがフェレットに慣れた経験者で、その対処法をきちんと知っているからこそのそれなのです。

だけど、時々…その意味が分かっていない飼い主さんがおられます。

間違っても、耳ダニを軽く考えてそう言ってるわけでは無いって事は、きちんと知っておいて下さい。

耳ダニというのは、人間でいうところの虫歯と同じように、自然治癒はしない!

放置してたら悪さをするばっかりで、「自然に治る(いなくなる)事は絶対にない」

そういう「厄介なもの」だと知っておいてあげて下さいね。

スポンサーリンク

フェレットの「耳ダニ」とは?

ミミヒゼンダニというダニの通称が「耳ダニ」です。

出典:田園調布動物病院

体調はオスが約0.4mm、メスが約0.3mm


↓約3週間
幼ダニ(第一若ダニ)

第二若ダニ

成ダニ

死ぬ←ここまで約2ヶ月(寿命)

この間、耳の内側の皮膚表皮に寄生して、耳垢や皮膚の小片、リンパ液などの分泌物を食べて、卵を産みまくって生きています。

皆さんご承知の通り、寄生されている他の動物ちゃん(ワンちゃんやニャンコスやニョロリン)との接触で簡単にうつります。

直接的なそれだけでは無く、カーペットやハンモックなど布類の共有でも感染する可能性が指摘されています。

そして、耳ダニが寄生するのは、その名の通り、主に耳ではありますが、成ダニについては、それ以外の皮膚にも寄生しないわけでは無いとして、体を丸めて眠るときに耳と接触する箇所(尻尾とか)を痒がったりするのはその為だと言われています。

※第一・第二若ダニが耳以外に寄生する事や、耳以外の場所で卵を産むことは無いとされているので、それらは放っておいても、そのままそこで勝手に死にます。

稀に「耳掃除の時に肉眼で発見できた」という飼い主さんもおられますが、顕微鏡で見なければ分からない事の方が多いです。

病院で耳垢の検査をしたらすぐにその場で分かりますので、病院で検査をしてもらう前は1週間から10日くらいは耳掃除をしないで連れていってあげるようにして下さいね。

耳ダニに寄生されたら

「耳ダニの症状」と言われている特徴的なそれはありますが、症状の出方には個体差があります。

フェレットによっぽど慣れているか、一度でもそれを経験した事がある飼い主さんにしか気付いてあげられない程度の症状しか出ない場合もあります。

普段から色の濃い耳垢の体質の子もいますし、そんなに痒がったりしない子もいますから、そういう子であった場合、ちゃんとした検査をして初めて、

「ああ、これがそういう事だったのねって分かってあげられた」なんてお話しもたくさん聞きますので、

どうか、健康診断や何かの時には、必ず、そんな様子は無かったとしても、お耳の中の健康も毎回きちんと診てもらってあげて欲しいと思います。

  • 耳を痒がる

これは、上記でも述べたように、本当に個体差があります。

「寝ていても飛び起きてかきむしる」子のお話しから、「全然そんな様子を見せた事がないから、検査をするまで気が付かなった」って子まで、本当に様々です。

  • 頭を左右に振る
  • 耳を触られるのをイヤがる

についても、気付いてあげられない事もあります。

いたちのおうちに時々「頭を左右に振っているのか、楽しくて揺れているのか分かりません」というお問合せがきますが、「一度その状態を見たら分かります」というお答えしかできません。

私の語彙力では、文字だけで適切に表現する事ができないから、「不安な事があったらすぐに病院へ連れて行ってあげて下さい」としか言えないのです。

また、

  • ベトつきのある黒褐色の耳垢
  • 耳から臭いニオイがする

これも、経験がなければ分からなかったりします。

「臭いニオイ」なんていよいよ文字で伝える事なんかできません。

だから、

一度は必ず、年に何度か、病院へ行った何かのついででも構わないので、そんな様子は無かったとしても、お耳の中をきちんと診てもらう機会を作ってあげて下さい。

怖いのは、そんな様子は見られなくても、耳ダニというのは

  • 確実に悪さをし始めるという事
  • アレルギーを起こす事もある
  • 放っておいたら取返しがつかないことにまでなってしまう事がある

アレルギーについてはこちら(⇒フェレット ノミ・ダニアレルギー)で、ご確認ください。

耳ダニを放置していると

「強い痒み」がある場合、自身に置き換えたらお分かり頂ける事ですが、それは相当なストレスとなって、生活の質を下げます。

  • かきむしる事で耳の内側や外側のひっかき傷ができてしまうかもしれません。
  • イライラして食欲不振になってしまう事もあります。

そればかりでは無く、そこから先の厄介な症状にまで至ってしまう前に、気が付いたらすぐに病院へ連れて行ってあげて下さい。

下図は人間の耳ですが、構造はこの子達もほぼ同じなので、「そこから先の厄介な症状」については、こちらの図を使ってご説明させて頂きます。

出典:朝比奈耳鼻咽喉科医院

外耳炎・耳(介)血腫(じかいけっしゅ)

外耳とは上図の通り、鼓膜より外側の部分全体の事で、音をキャッチして鼓膜に音を伝える役目の、外耳道と呼ばれる穴と私たちが普段「耳」と呼んでる部分(耳介)を指します。

激しくかきむしったり、爪で引っ掻いてしまう事で外耳に傷を付けてしまって外耳炎を引き起こす事があります。

また、耳介(じかい)の軟骨と皮膚は通常くっついているものなのですが、何らかの原因でその間にある毛細血管が切れたりすると中で出血してコブを作ってしまいます。

それが耳介血腫(じかいけっしゅ)または耳血腫(じけっしゅ)と呼ばれる症状です。

今日のアイキャッチ画像(一番上の写真)で登場してくれているルイ君のお耳がその症状です。

耳ダニはいなかったそうですが、「よく耳を痒がる」から「すぐに耳血腫ができてしまう」子だったそうです。

人の場合でもそうですが、耳血腫ができやすい体質(耳の作り)と、そうで無い体質がありますので、できやすい体質の子の場合は特に気を付けてあげて欲しいと思います。

耳血腫の治療とは?
  1. 注射を使って、血液を抜く(ただし、1回では治らない場合が多いので、2~3ヶ月の通院でこまめに抜いてあげる)
  2. 手術(患部を切開し、中にたまっている血液を抜く)
  3. なにもしない(命に別条はない為、ただし耳は変形したまま)

の三択になる場合が多いですが、

治療はとにかくたまった血液を抜いて(上記1の治療)、耳の軟骨と皮膚との間に血のたまるスペースを無くしておくこと!治療は長期にわたることが多く、外科手術(上記2の治療)が必要になることもありますよ。

と言われているので、獣医さんとよく相談して、その子に一番良い治療方法を選択してあげて下さいね。

中耳炎

上記のように外耳から内耳までの間にある(鼓膜よりも中の部分で耳小骨や耳管と呼ばれる)場所で炎症を起こす事があります。

中耳だって「内耳に音を伝える」という大切な役割がある場所です。

中耳炎にまで至らないように、ただの「耳ダニの寄生」だけで済んでいるうちに早く治療をしてあげて下さい。

痒みによるストレスが原因で食欲不振になったり元気が無くなってしまう事だってありますからね。

この子達の小さな体にかかる「ストレス」を軽く考えてはいけません。

ストレスが原因で死んでしまうフェレットがいる!

ストレスはこの子たちの大敵ですからね。

内耳炎→斜頸(しゃけい)→内耳損傷

斜頸の症状が出てるエルちゃん

耳ダニの寄生が進行すると内耳にまで波及して内耳炎を起こします。

内耳とは上図の通り、蝸牛や三半規管などがある場所で、平衡感覚や音を脳に伝える部分です。

内耳炎を起こすと斜頸(炎症を起こしている側に頭が傾きます)症状が出る事があります。

耳ダニは完治したのに、斜頸症状が治らないという子を詳しく検査した結果、「内耳の損傷が見られた」という症例があるそうです。

人間の耳でも内耳は損傷すると「完治が難しい」と言われています。

そんな事にまで至ってしまう前に、耳ダニは早期発見・早期治療が大事なのです。

気を付けていてあげて下さいね。

斜頸の症状については、こちらに詳しく(⇒斜頸の症状(首を傾ける)が出る場合)、うちのエルちゃんにその症状が出た時の写真を他にも何枚か載せています。

耳ダニの治療とは

「殺ダニ剤」の点耳や駆虫薬(滴下・注射)の投与です。

点耳(スポット)タイプの殺ダニ剤は、その効果を高めるために耳垢を綺麗に掃除してからの投与となりますが、この子たちの耳道は、上図(人間)のそれと違い、薄く平べったい形状で尚且つとても狭いため、素人では無理です。

綺麗に掃除が出来ていなかったり、嫌がって暴れてしまったりしては、薬が奥まで浸透せず、その効果が出ません。

それと、ダニの「駆虫薬」は一般的に成虫にしか効果が無いお薬がほとんどです。

卵には効果がないため、一度の投薬で成虫を全て駆虫できたとしても、その間に産卵されていた卵は普通にかえってまた成虫となります。

だから、2~3週間ごとに(成虫になるったタイミングに合わせて)数回の投薬が必要です。

また、痒みが強い場合や皮膚に傷が付いている場合などには、それに合わせたお薬(かゆみ止めや軟膏、ステロイド剤や抗生物質など)を処方してもらわなければいけません。

それら全ての判断は、お医者さんにしか出来ません。

なので、「耳ダニの寄生があるか」~「耳ダニがいたら」まで、その全部が獣医さんにお任せする作業だと心得ていて下さいね。

薬(レボリューションなど)のネット購入について

ノミ・ダニの予防・駆虫薬として知られている「レボリューション」

これはもちろん耳ダニの駆虫にも有効です。

が、それを「耳に直接点耳した」という飼い主さんの話しを聞いた事があります。

絶対に止めて下さい!!

そんな使い方をする薬では無いのです。

ネットで手軽にお安く購入できるお薬だから、情報収集もお手軽に済ませてしまったのかと思いますが、これは薬です。

お薬というのは、使い方を間違えたら死んでしまう事だってあるんですよ!

その子に合うかどうかも分からないうちから飼い主の勝手な判断で使って良いものでは無いのです。

使い方があっていたとしても、

レボリューションは副作用に死亡症例があるお薬です!

一度は必ず、獣医さんの指示を仰ぎ、用法用量を守って正しく使ってあげなければダメなんですっ。

だから、ここ「いたちのおうち」ではお薬にかんするそういう…

「安く買えるお薬情報」みたいな事は今後も絶対に載せません。あしからず

耳ダニの予防法

上記の「レボリューション」は予防駆虫薬ですので、きちんとした投与を続けていれば、もちろん耳ダニの予防としても有効です。

が、繰り返しますが、これは、虫を殺す作用がある強いお薬です。

くれぐれも、お医者さんの指示が無いまま勝手な投薬をなさらないよう、お願いします。

死亡にまでは至らなくても、内臓に重篤な副作用をもたらす事が症例で知られているんです。

例えば、フィラリア症の予防薬は別に投与している場合などで「耳ダニの予防という一点だけ」で考えているなら、レボリューションの投与は「内臓への負担が大きすぎるから控えるべきだ」とするお医者さんもいます。

だけど、耳ダニを完全に予防するためには、予防薬の投与が無い場合、耳ダニに寄生されているフェレットはもちろんのこと、

他の動物たちとも一切接触させない事

しかありません。

だから、多くのフェレットが集まる場所や他の動物がいる場所へ連れて行くなら、「防ぐ方法は無い」と思った方が良いです。

直接の接触がなくても、布類を媒介しての寄生もありえない話では無いとされているので、外へ連れ出す時には、はっきり言って「防ぎようが無い」と言ってしまっても過言では無いのです。

そういう集まりの場で「だから」としてレボリューションの投薬をその場で促すイベントなどもあるそうですが、「それはしない方が良い」という獣医さんの言葉がある事を知っておいて下さい。

だからというかなんというか、そういう事情を全て分かった上で、はじめて冒頭のあの、

「耳ダニくらい」という言葉を言って良い事になるのですよ!

この言葉を言える飼い主さん達は、みんな、早期に発見して早期に治療してあげられる自信があるベテラン飼い主さんだという事なのです。

その事を覚えておいて下さいね。

また、多頭飼いのお家では1匹が寄生されていたら、ほぼ間違いなく全ニョロが感染していると思って、他の子たちも必ず全ニョロが検査をして、全員一緒に治療を始めてあげて下さい。

治療の開始時期がずれるとニョロリン同士でのピンポン感染を繰り返し、いつまで経っても完治させてあげられませんからね。

耳掃除は繁殖を少し抑える程度でしかない

耳垢は耳ダニの餌となりますので、その量が多いとそれだけ耳ダニの繁殖や活動は活発になります。

が、皮膚の小片、リンパ液などの分泌物なども耳ダニは餌としていますので、耳垢が無くても耳ダニは餌に困ることはありません。

「耳垢は耳ダニの温床になる」というだけで、耳垢だけが住処では無いのです。

どんなに耳を綺麗に掃除してあげても、一度、寄生されたら、きちんと駆虫してあげない限り、耳ダニはずーっと住み続けます。

これは、耳掃除が無駄だとかそういう意味ではありませんので、普段からお耳掃除は適切な頻度でしてあげて下さいね。

繰り返しになりますが、耳ダニの検査は耳垢を見ます。

検査の前(1週間から10日程度)は耳掃除をしないで下さい。

耳垢が少ないと「見落とし」に繋がりますからね!!

まとめ

耳ダニというのは「たかが」であって「されど」な厄介な病気の1つです。

気付かないで放置していると治らない症状にまで至ってしまう事もある怖い寄生虫ではありますが、だからと言って、予防薬の投与を飼い主判断で勝手にしてはいけません。

「簡単な検査と数回程度の投薬で完治させてあげられるのだから、強い副作用の心配がある予防薬は必要無い」って断言する獣医さんもいるのですからね。

だから、そういう場所へ行った後などに、少しでも、耳垢の量が増えたような気がしたり、お耳をバリバリする回数が増えたような気がしたり、ちょっとでも、そう思うような事があった時には、迷わずその検査をしに連れて行ってあげて下さい。

居なきゃいないで「良かったね♡」で済むのですからね。

何かがあったら、きちんと病院で検査をするまで、勝手に安心しない飼い主でいる事が、この子達の健康維持には必要な事なんじゃないかなって私はいつも思っています。

たかが耳ダニ

されど耳ダニ

注意してあげていて下さいね!

今日のお話しは

フェレット【耳ダニの本当の怖さ】内耳炎からの斜頚・中耳炎の詳細と外耳炎からの耳(介かい)血腫(じけっしゅ)

を、まとめた内容となっています。

大部分が重複となりますが、人間の耳介血腫の例(井上康生さん)なども、お写真とともにご説明させて頂いていますので、お時間があります時にお読み頂ければと思います。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

-病気
-

Copyright© いたちのおうちの覚書 , 2018 All Rights Reserved.