ゴーストハンター(スコットランド)

病気

換毛期は要注意【毛球症は腸閉塞・胃内異物の原因になる】毎日のお手入れにちょっとプラス!

春と秋は動物たちも衣替えの季節です。

1歳前後の子は特に、尋常じゃない生え変わり方をしたりします。

「抜け毛を集めたらもう一匹フェレット出来ちゃうんじゃないか」ってくらい抜ける事があります。

だけど、それも「個体差」です。

どれくらい抜けたら良いとか、あんまり抜けないからどうだとかって事は神経質に悩む事ではありません。

髪の毛が伸びるのが早い人と遅い人、体毛が濃い人と薄い人、人間でも色々な「そういう人」がいるように、この子達だってそれぞれなのです。

また、「この前の春はあんまり抜けなかったけど、この秋はすごい抜けた」とか「去年はどうだったけど今年はどうだ」みたいな事だってあります。

それらは、その子の体調というか、そういう色々があるので、他の誰かと比べたりしなくて大丈夫ですから、どうぞ安心して頂きたいと思います。

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毛球症を放置してると腸閉塞になる

腸閉塞というのは、その名の通り、「腸の一部がふさがる、または極端に詰まる、急性の病気」がその定義です。

毛球症というのは、「毛づくろいで飲み込んだ毛を上手く排泄できないまま、胃や消化管内で固まってしまう症状」の事を言います。

フェレットの消化管内に詰まった毛

異物誤食などの消化管内異物とは違い、毛球症によって引き起こされる腸閉塞に限っては、ある日、突然、腸閉塞になって(腸が詰まって)しまうまでに、改善してあげられる時間があるという事です。

「毛球症」と診断される状態は腸閉塞を起こしている状態の事を指す事が多いです。

「腸閉塞」という病名が付いた時には、もう開腹手術しかありあません。

毛球症は飼い主努力である程度までは防いであげる事が可能だったりしますので、是非、換毛期には普段のお世話にちょっとプラスの「特別なお世話」をくわえてあげて欲しいと思います。

健康な子でも「換毛のお手伝い」をお世話にしてあげて欲しい理由

本来、「動物」というのは、自分の事は自分で出来る生き物です。

自然界における野生の動物たちは、自分の事さえ出来ないようであれば、「生きていくスペックが低い個体」として、自然淘汰されてしまうだけの事です。

でも、あなたのその子は「ペット」です。

野生の話しは関係ありません。

そういう考えが根底にあるからなのだとは思いますが、品種改良などで「本来、野生にはいない動物」がどんどんペットとして人間のソバで生きてくれているこのご時世に至っても、いまだに「ペットにブラッシングは不要」とか言っちゃってる人がいます(※特に昭和生まれの古い人間に多いです)。

超長毛種もほぼ毛が無い生き物もどちらも血統管理までされる立派なペットとして存在している今の時代に、「ペット=動物」ってまとめて発言できちゃうような人は、あなたとその子の生活にきっと1μも関係無い人だと思いますので、サラッと受け流してしまいましょうね。

若く健康なフェレットでも上手に毛玉を排出できない子が多いのは事実

猫は胃の中に毛玉が溜まると自分でそれを吐きだします。

草を食べたりしてでも吐きだすのは、野生で過ごしていた時代から、獲物を食べた後にその獲物の毛などを体外に排出するために吐き出してきたその習性が残っているためだと言われています。

でも、フェレットには「吐き出す」という習性がありません。

野生時代の猫の祖先たちが鳥やネズミをメインに食べていたとしたら、この子達の祖先たちはきっと、その卵やヒナや毛がまだそんなに生えていない状態のそれを餌にしていた事が理由だと考えらます。

これは、私が勝手にそれぞれの祖先の体の大きさから推測しただけの事なのですが、そんな事はどうでも良くて、とにかく、フェレットの体には毛玉を吐き出す機能がありません。

その上で、全てのフェレットが飲み込んだ毛を全て溶かしてしまえる程、胃酸が分泌されているわけでは無いし、

また、その全てを消化不良のままウンチとして排泄出来る機能を持っているわけでもありません。

要するに、詰まらせてしまう子が多いのです。

開腹手術で取り出される大量に詰まったフェレットの毛玉

※「吐き出せた」子がいた!

形状から察するにこれは「喉に張り付いてた」から気持ち悪くてケッケッケって吐き出せたんじゃないかなって思います。

お腹に溜まった毛とは違うけれど、お腹に入る前に吐き出せる事もあるんだ!偉いぞ!って、ちょっと嬉しくなりました。

ですがこれは、飼い主さんが「初めて見た」とおっしゃっていた通り、みるく君が「この時たまたま出来た」だけなんだと思います。

やっぱり全ニョロどの子もみんな吐き出す機能はないと思って、気を付けてあげるに越した事はないって私は言い続けていこうと思います。

腸閉塞一歩手前「胃内異物」で開腹手術の例もある

こちらの「いちご君」

様子がおかしいと思った飼い主様が原因究明に駆け回り、3か所目の病院の先生に触診で「胃の中に異物がある」と見付けてもらえたそうです。

その当時の事を、「食欲はあるみたいだけど、食べる量が減っていた」、「日によっては嘔吐とかもあった」と教えてくれました。

嘔吐については「毛玉が動いて胃の中が刺激されるのが原因ではないか」との事でした。

そして、「何年もかけてそうなっていったらしく、食事の量の減り方もジワジワだったから…年のせいかなぁって思っちゃったりもしてて、いちごに悪い事しちゃった」って、おっしゃっていました。

それでも、「何かがおかしい」って、納得いくまで病院を探して、検査をお願いし続けた飼い主様の執念で見つけてあげられたのだから素晴らしい事だって私は思います。

ちなみに、この記事を書くにあたり、「今日のいちご君」のお写真をお借りできました。

フサフサに戻ってる♡

手術がんばって偉かったね!!

野村獣医科Vセンター

フェレットの胃内異物の摘出(オペ施術例)

シニアは特に念入りに

若いニョロリンでも「上手く出来ない」事が多いのですから、消化管の働きが衰えてくるとされる4~5歳(シニア)過ぎのニョロリンはもっと気を付けてあげて下さい。

開腹手術になってしまった時には、体力の面でも心配が出てきます。

ちょっとした事で防いであげられるかもしれない病気は、なるべくなら防いであげて下さいね。

※ある日、突然なるわけでは無い

「抜け毛の激しいベビだから」とか「消化管の働きが衰えてくるシニアだから」

「毛球症になる」わけではありません。

あくまでも、その時期に、腸閉塞を起こしかけるまでの症状が出る事が多いというだけで、お腹の中には数ヶ月から数年かけて少しずつ溜まっていってしまう事だってあります。

これは本当に、その子の体質に起因する事が多いです。

だから、普段からずっとその事ばかりを意識して神経質にあれこれ悩む事ではありませんが、換毛の時期くらいは、少しその事を意識してあげるだけでも違うんじゃないかなって、私が思っているだけなのです。

毛球症の予防法

体内に入る(飲み込む)毛を可能な限り少なくしてあげましょう。

丁寧なブラッシングはもちろんなのですが、それじゃあ追いつかないって時には「むしって」あげるのが得策です。

軽く保定姿勢をとった時に「毛が抜けて持てない」みたいな状態の時は、もう「むしる」のが正解のお手入れの1つなのです。

「むしる」と言ったって、強く引っ張ってはダメですよ。

抜け落ちる前のゴワゴワしてる部分を優しく手で摘まみとってあげるんです。

これ、我が家のかかりつけ獣医さん(野村獣医科vセンター)でも「そうしてあげて下さい」って言われてる事ですから、どうぞ安心してそうしてあげて下さいね。

※「生体の年齢や健康状態によって」は当たり前に考慮してあげて下さいね

体内に入れないお手伝い(ブラシの選び方)

「換毛期にも使えるブラシって何が良いんですか?」というお問合せが時々きたりもするのですが、はっきり言って私にも何が「良い」のかなんて分かりません。

あなたが使いやすくて、その子が気持ち良さそうにしてくれる物なら、何でも良いと思います。

ただし、普通のブラシでは全然、用が足らないと思った方が良いんじゃないかなとは思います。

確かに毛もとれるには取れますが、もともと普通のブラシというのは「毛に付いたゴミやホコリを取り除きながら、毛並みを整える」用に作られている物です。

抜け毛もゴッソリとる用には出来ていないとお考え下さい。

あっちこっちで「オススメ」と紹介されていますので、そういったものを参考に、きちんと換毛用のグッズをお選びになると良いと思います。

が、こちらの商品についてだけは安易にお勧めしてるサイトや何かにちょっと物申させて頂きますので、ご一読下さい。

トリミングブラシでフェレットがハゲちゃった(画像あり)ファーミネーターが危険?人間の頭で検証してみた
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いや、もう9月が終わる!今月はやたらと時間が経つのが早い! 去年もそんな事を言ってたような気がしてちょっと振り返ってみたら、まったく同じこと言ってたっていうね… おまけに今年も「ブログ開設からちょうど

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ちなみに、今日のアイキャッチ画像はそういう専用のブラシでファッサーと絡めとられた抜け毛(一部)です。

小さいゴーストが数体写って見えるのは、このブラシの形状です。

抜け毛が「‘0’(・0・)‘0’」ってなるブラシ

ブラシがなくても大丈夫

このゴーストブラシを使う飼い主さんも「抜け毛が多い時はお風呂にいれるのが一番手っ取り早い」って言いました。

これは「ちゃんとした抜け毛対策」の1つです。

1つですというより、私的には一番お勧めしたい方法です!

「お湯の中で親指と人差し指で挟む感じで力を入れずにむしる」

これが一番、ストレスなく抜け毛をとってあげられる方法だって、昔からの飼い主さんは結構みんなそう言います。

お湯にとっぷんとつけると「後が大変」って時には

「濡らした手で体を撫でてあげる」これだけでも抜け毛がいっぱい手につきます。

どんな方法でも構いませんので、「抜け毛を体内に入れない工夫」きちんとしてあげて下さいね。

排出のお手伝い(毛玉の排出を意識した健康補助食品)

って、そうはいっても「絶対に毛を飲み込ませない」なんて不可能です。

そりゃ、この子達だって多少の毛くらいでしたら、自力で排泄できる内臓力は持っています。

だけど、やっぱり「もしも出せないまま少しずつ溜まっていってしまった」時の事を考えたら怖いです。

だからせめて、いつものオヤツを、この時期には、毛玉排泄効果の高いそれ専用の健康補助食品に変えてあげてみると良いんじゃないかと思います。

ちなみに、うちのさすけの毛玉というか毛の塊がウンチで出てきた時の事は、こちら『け…毛玉???』にて写真付きでお話しさせて頂いています。

サプリメント選びの時の参考にもして頂けるかと思いますので是非ご一読頂けたらと思います。

おしまいに

どんなに気をつけていても、毛球症になってしまう子はいます。

また、何も特別な事はしていなくても、生涯、何事もなく暮らせる子もいます。

こういう事は本当に「個体差」でしか無いのです。

もし、そうなったからといって、飼い主として自分を責めるような事ではありません。

また、そうならない為にと不安な日々を送る必要もありません。

あくまでも、毎日、楽しく、健やかに…それが基本だという事を忘れないでいて下さいね。

健やかなニョロニョロを☆彡

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