フェレット作家:いたチカ。

基礎知識

フェレットのヒゲ【感覚毛・触毛とは】どこに生えてる?ヒジ毛・眉毛の役割は?

動物たちに生えている「ヒゲ」とは正式名称を「感覚毛(かんかくもう)」「触毛(しょくもう)」などといい、読んで字のごとく「感覚を感受する毛」です。

「基部(根本)が感覚細胞の先端に接していて接触感覚を感受する」がその役割なので、

ヒゲそのもの自体に機能が備わっているというよりは、感覚を知るために「必要な器官の一部」と思って頂くと分かりやすいかと思います。

以下、日本大百科全書(ニッポニカ)世界大百科辞典より抜粋です。

感覚毛の解説!

動植物がもつ、受容器としての機能がある毛をいう。哺乳(ほにゅう)類では、ネコのひげのように、顔面に分布する剛毛で、触覚に関与するため触毛ともよぶ。また毛嚢鞘(もうのうしょう)には血液がたまり感覚神経が分布するため、血洞毛ともいう。節足動物ではキチン質の剛毛の内側に感覚神経のついた毛状感覚子が発達し、触覚、振動覚のほかに味覚、嗅覚(きゅうかく)に関係したものもある。また、関節部には感覚毛の密生した毛板があり、関節がどの程度開いた位置にあるかを知る自己受容器となっている。一方、植物では食虫植物(ハエジゴクやムジナモなど)の葉にある毛が同様の機能をもち、昆虫などによる接触刺激を受容する。

そして

「毛」より

西アフリカ産の両生類ケガエルの胴の両側から大腿部にかけて1列に生えている〈毛〉は角質化した組織ではなく,皮膚の伸び出した生活組織で,えらのように呼吸機能をもつのであろうと考えられている。 特殊な毛としては,口の上にみられるひげ(ネコやネズミのひげ)や目の上の剛毛があるが,これらは毛囊鞘(もうのうしよう)中に血脈洞があり,感覚神経の末端が入りこんで一種の感覚器をなしているので,血洞毛,触毛感覚毛などと呼ばれる。モグラ類では手首に,コウモリ類では飛膜にもあるが,ヒトにはない。

更に

「平衡感覚」より

最下等のクラゲから扁形動物,環形動物,軟体動物,甲殻類まで同一原理によるものが見いだされる。平衡胞は体表などの陥入による胞状の構造で,その内面に有毛受容細胞の繊毛,甲殻類では受容細胞につながるキチン質の毛からなる感覚毛があり,その先端に付着あるいは自由移動する平衡石(耳石)をのせている。この感覚毛と平衡石のある部分を斑(はん)(聴斑)とよぶ。

「ヒゲ」はこの子達が「様々な事を【感覚で知る】ために必要な大切なもの」だという事はお分かり頂けましたでしょうか?

絶対に切ったり抜いたりしてはいけないのです!!

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フェレットのヒゲ(感覚毛)とは?

今日のアイキャッチ画像、ぶかぶかのキャンディの被り物が可愛い陽気なつむぎ君を見て頂くとお分かり頂けますが、

この子達のヒゲ(感覚(触)毛:顔面に分布する剛毛)は、お鼻を中心に丸く円を描くように、ピンと張り出すように生えています。

この生え方は同じ哺乳類の中では「猫に近い」と言われています。

比べてみましょう。

ニャンコス

つむぎ君

こうして改めて見ると、その特徴がすごくよく分かると思うのですが、

この子達のおヒゲは、顔の大きさに対して、とても長くてとても立派なのです。

この立派なセンサーがあるから、狭い所でもスンスン♪楽しく冒険が出来るのですよ。

「よれているから」とか

「長すぎて格好悪い」とか

そんな理由でどうこうして良いものではありません。

例えどんな理由があったとしても、切ったり抜いたり絶対にしないで下さい。

鼻のまわり以外にも生えてる!その場所と役割

「お鼻を中心にぐるりと円を描くように」は見たまんまです。

真横に張り出すヒゲで「幅」を測り、

触覚のように上へピンと伸びているおヒゲで「高さ」を測っています。

もちろん、高さと幅だけでは無く、その状態なども感知しているともされています。

目の上に生えてる毛

人間でいうところの「眉毛」にあたるこの感覚毛は、もちろん「高さ」を測る役割も担っていますが、それだけでは無く、人間のそれと同じように「目を守る」役割も持っているのですよ。

とは言っても、人間の眉毛のように、額から落ちる雨水や汗が目に入らないようにせき止めるとか、「日よけ」というような直接的な役割では無く、これは、

目蓋の感覚神経と繋がっているセンサーとして、この毛に何かが「触れると目を細めて目を守る」という仕組みなのです。

アゴの下(喉のところ)

見えますでしょうか?

この「喉のところから長い毛」が出ている事に、勝手な人間の感性で「変だから抜いた」などというお話を聞くことがありますが、ダメです!

こんな風に

1本だけ色が違う毛が飛び出ているのは、「変」なんかではありません。

上載した通りに「必要だから」あるのです。

関節部分にある毛(ヒジ毛)

関節部分(ひじ)にある、このワサワサと密生した毛板が「感覚毛」の集まりです。

ここからピョインと1本長く飛び出ているものを「ヒジ毛」と称し、「可愛い♡」とニンマリするニョロリストは非常に多いですが、実はこのワサワサした部分全部が「感覚毛」なのですよ。

可愛いヒジ毛

こちらも「切った」「抜いた」というお話しを聞く事がありますが、上記にもあるように「関節がどの程度開いた位置にあるかを知る自己受容器」でもある大切な器官です。

この子達の可愛い仕草の1つである「バックしていく」時にも重要な役割を果たしている毛なのですよ。

大切に愛でてあげて下さいね。

ヒゲは抜けたり折れたりします

大切な感覚器官の一部とはいえ、毛は毛です。

換毛時期にはもちろんの事、代謝の一環として抜け変わります。

ポロリと落ちていても心配する事ではありません。

それを大切に保管している飼い主さんも多いです。

また、「枝毛」のような状態になる事もあります。

顔に生えている剛毛なおヒゲは硬さがある分、枝毛のようになったり折れやすかったりもします。

何かに挟んでしまったとかそういった少しの衝撃でなってしまう事もありますし、粗悪なフードを食べ続けていたり、ストレスの多い環境にいるフェレットのヒゲは枝毛や切れ毛になって長く伸びないんだというお話しもあります。

枝毛や切れ毛が多い時には、そういった環境の改善を考えてあげて下さい。

枝毛になったヒゲは、時間が経つとそのままそこから自然と切れますので、無理に切ったりも絶対にしないであげて下さいね。

まとめ

「視力が弱い」とされるこの子達(目が悪いお話しはこちら⇒フェレットの視力や視野はどのくらい?などでご確認下さい。)が、元気いっぱいに無邪気に遊べるのは、これら優秀な『感覚毛(ヒゲセンサー)』のお陰です。

体調が悪い時などには少しションボリして見えるおヒゲ。

立派なおヒゲは上質なフードを食べさせてもらって、ストレスの無い良い環境でノビノビと生活させてもらっているという証拠。

この子達の健康状態を知らせてくれる大切なバロメーターでもあるのですよ。

絶対に切ったり抜いたりしないであげて下さいね。

今日のお話しは、こちら(触毛は大事な器官「目の上の毛をチョンチョン触ってエルちゃんに怒られた」「ワサビのヒゲが抜けて大騒ぎ」)をまとめたものです。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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