フェレット飼育ノート

いたちのおうちの覚書

基礎知識

フェレットの飼育【ケージの正しい使い方】「持ってない」が虐待行為になる理由

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この子達のお部屋となる小屋は「ゲージ」では無く、「ケージ(cage)」です。

切れてたら横にシュッと!

原語(英語) 日本語 意味(使い方)
× gauge ゲージ 計器、レールの軌間、標準寸法など
cage ケージ 鳥かご、獣の檻、エレベーターの箱、バスケットボールのゴールなど

これを機に、その言葉の意味も正しくきちんと覚えておいて下さいね。ご覧の通り、「ゲージ」と「ケージ」は全く意味が違う全然別の単語です。

ケージというのは本来、「大きな箱」とか「囲われているもの」を表します。

昔、海外の友人が自分の勤務先を「cage」と言っていました。

それは俗語としてそう表現したのだとは思いますが、「檻に閉じ込められてる」などというネガティブな意味ではなく、「襲われないように頑丈に囲われた(守られた)場所なのだ」という自慢でそう言っていたのです。

彼女は交通違反などの罰金を納める窓口で働いていました。

反則切符を切られて気がたっている人も多いでしょうし、日本より遥かに強盗被害なども多いあの国ならではの言い方なのかなって、あの時はなんとなくそう思ったのですが、

よく考えたら、それは日本人の私が「ケージ」という言葉に持っている勝手な偏見でしかなく、(当たり前ですが)彼女の使い方が正しいのです。

この子達と一緒に暮らす時に必要とされる「ケージ」について、今日はその必要性と正しい使い方をお話しさせて頂こうと思います。

「ケージ(檻)=閉じ込める」というのはただの偏見。

「それが可哀想」等というのは、単なる思い込みでしか無いという事。

この子達の「安全」を考えてあげるなら、必ず「ケージ」の用意はしておいてあげなければいけません!という基本中の基本のお話しです。

また、これ以降ずっと「ケージ」という表現でお話ししていますが、それは製品名を指しているのではなく、「囲ってあげる場所」という意味だとご理解頂きますよう、お願いいたします。

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はじめての飼育セットに必ずケージが付いてる理由

どこで買おうと何だろうと、「フェレットの飼育セット」と呼ばれるものには必ずケージが入っています。

「必要だから」あるんです。

「放し飼いならケージは要らない」と言われたら、その人は「フェレットの飼い方を知らない」んだと判断して下さい。

「いります」

これは、お店の売上を気にしなければいけない店員さんの言葉ではなく、行政から指導を受けている「動物取扱責任者(保管 16東京都保第005273号)」として「いる(必要)」と、はっきり断言します。

事故というのは「思ってもいない事」が「想像を超えて」起きてしまうから事故と言います。

ケージにいれてさえあげていれば防げる事故があります。

もちろん、ケージにいれていたせいで起きてしまった事故というのも0ではありません。

でも、その大半は「間違った使い方」によるものです。

可能性が0では無い以上、「こうすれば絶対に」というお話しにはなりませんが、それでも、「こうした方が危険の可能性は減ります」という事は断言できますので、どうか最後までしっかりお読み頂ければと思います。

ケージに入れるのが「可哀想」の間違い

上記でも述べたようにケージというのは「閉じ込めておくための檻」ではありません。

この子達を守るためのお部屋です。

フェレットの飼養施設である「いたちのおうち」では、ほぼ放し飼い状態ではありますが、一瞬でも無人になる時やスタッフが就寝する夜には、必ず全ニョロにケージに入ってもらいます。

人の目が無い時に自由にさせているのは「放牧」とは言いません。

ただ「ほったらかしている」だけです。

思ってもいないような事が起きるかもしれない「事故というのはそういうものだ」と分かっているのに、「危険な目に遭うかもしれない」という発想が出来ないのは「想像力の欠如」として、世間ではそれを「無責任」と言います。

「いたちのおうち」は一般飼い主では無いので、そんな、無責任で事故を起こしてはいけない立場にあるのです。

本当はそんな立場なんかどうでもよくて、一般飼い主として、自分の無責任のせいで我が子が事故に遭うなんて事は全力で回避してあげなければいけない!って考えているから、そうしているのです。

「出せ!出せ!」するのは、そうシツケてるから

充分に放牧させて、たくさん遊んであげた後、ケージは「ゆっくり安心して眠れるお家」そういう場所だと教えましょう。

  • 朝になるまで開けない(朝までは出さない)
  • ガシャガシャやっても開けない

たったこれだけの事です。

早ければ数日で、この子達は覚えます。

そんな事をしても開かない(構ってもらえない)と賢いこの子達は「分かる」んです。

その子が「開けるまでガシャガシャやる」のではなく、ガシャガシャやるからといってケージから出してしまうから、そういう子になっているだけなのですよ。

「出せ!出せ!したら開けてくれる」と覚えさせているのは飼い主です。

※ガシャガシャやるのが楽しくていつまでもそうやって遊びたがる子も中にはいますが、それとこれとは別のお話しです。

日中、人の目がある時などのお昼寝では好きなようにその場所で寝させてあげて構いません、ただ「夜はケージで過ごす」というメリハリのある生活を教えてあげれば良いだけなのです。

「出せ!出せ!」と暴れているように見えても、「飼い主の意思でしかその扉は開かない」と教えるのが「シツケ」ですからね。

最初はその行為がうるさいと感じるかもしれません。

可哀想に思うかもしれません。

だからと言って、その行為に反応して要求に応えてはいけません。

そう思うのなら、その分、放牧中にたくさん遊んであげて下さい。

それが「シツケ」です。

ペットの意思に合わせて人間が動かされてる(うるさいから、可哀想だから、などの理由でケージから出す)ようでは「飼い主」とは言えないのですよ。

小動物であるフェレットも超大型犬も、同じペットです。

超大型犬をシツケも何もしないで「好きにさせている飼い主」をあなたはどう思いますか?

一般社会がそれを受け入れると思いますか?

ペット社会では「ペットをきちんとしつける」事は飼い主として当たり前の責任です。

きちんとシツケ無いのは飼育放棄という立派な虐待行為にあたりますからね。

「ケージに入る事は可哀想な事では無い」と正しく、その役割(使い方)を認識したうえで、「安心してゆっくり休める快適なお部屋」だと教えてあげて下さいね。

一例として、いたちのおうちにお泊りに来てくれた「あずさくん」のお話しをご紹介させて頂きます。

とっても賢くて可愛いあずさくん「朝起きてウンチをしたらケージの扉が開く」ってすぐに覚えてくれました。

なので、ウンチのお話しがメインにはなっていますけど、参考にして頂けたらと思います

ウンチの報告をしてくれるようになった!いたちのおうちの覚えてもらい方

と、ここまでは

「ケージにいれると出して欲しいと暴れる!それが可哀想だ」というのは無責任な思い込みでしかありません!そういう間違った思い込みを持たないで欲しいというお話しです。

本来、ケージというのは可哀想とか可哀想じゃないとか、そういう理由で使うものではないのです。

ここからは、「本来の正しい使い方」をご説明させて頂きます。

ケージの大きさ・仕様は「飼い方に合わせて」考えれば良い

1匹だとどうだとか、その広さや何やらはあっちこっちに出ているので、それらを参考にしてお考え頂ければいいかとは思いますが、基本的に

  • 匹頭数でケージサイズを考えるのは、「放牧以外はケージで過ごさせる」という飼い方へのお話し
  • 普段は使わなくても、匹頭数分のケージの用意は(スペース確保だけでも)しておく
  • キャリーはケージでは無い

という事は最初に頭に知っておくべき事かなって思います。

ケージの中に必要なもの

  • 給水ボトル
  • フードディッシュ
  • ハンモック
  • トイレ
  • 十分な広さ

とよく見かけますが、

この「十分な広さ」が「どれくらい」なのかが分らりづらくて不安になってしまうんですよね、きっと…

「2匹目のお迎えを考えてるんですけど、ケージは変えなきゃダメですか?」とか

「ネットで評判が良いケージは、家のどのスペースに置いてもちょっとあれなんですけどどうしたら良いんですか?」みたいな、お問合せがくるんですけど…

ここでちょっと、一番上に戻って写真を見てみて下さい。

写っている(ケージ×3、メディカル×1)は全部1~3匹に適したサイズと言われているものです。

放牧時間が十分に取れないという方の中には、1ニョロでもケージではなく大きなメディカルで、ノビノビと飼ってあげている飼い主さんもいます。

また逆に、「夜寝る時だけケージに入れる」などと極限定的に使用される飼い主さんの多くは、1つのケージに2~3ニョロを一緒に入れてあげています。

みんな「適したスペース」です。

高さがどうとか広さがどうとかってお話しもあるみたいですけど、そういう細かい事については、色んな方のお話を参考にしたうえで、あなたのお家のスペースと、あなたの飼育の仕方で決めてあげれば良いのですよ。

ケージの正しい選び方

アドバイスを頂きました

ケージを正しく使っているつもりでも、そもそも不適切なケージを使っていたために事故になったケースもありますし、その辺はやっぱりオーナーの目が物を言いますね。
フェレット用、またはフェレットにも使用可能と謳って売られていても、実はフェレットには不適切ということもありますし。

また、

製品そのものに問題がなくても、特定のフェレットさんには合わないフェレット用ケージというのもありますし、オーナーが自分の子たちの行動を把握して、そこから想定される危険性を可能な限り潰していくしかないんですよね、やっぱり。

などというお話しもあります。

これは何に対しても言えることなのですが、

「買い与えておしまい」ではダメだという事ですよね。

「ケージに入れてるから安心」も、あまり過信し過ぎないで、「ちゃんと様子を見てあげる」事は、どんな時でも、忘れないでいてあげて下さいね。

「仲良しだから」は常識の範囲で

団子状に固まって眠るフェレット達は可愛いです。

「皆、仲良さそう」に見えます。

ですが、ケージは「安心してゆっくり休める」場所にしてあげて下さい。

満員電車みたいギュウギュウに詰め込むような飼育はダメです。

つい先日、「皆でいるのが好きだから」として、超詰め込み飼育環境下で窒息死というフェレットの事故を見ました。

ケージは「フェレット用」を使ってあげて下さい。

「フェレット用」として市販されているケージには「何匹用」と必ず記載があります。

その数を超えているのはキャパオーバーです。

過密飼育は虐待行為です。

ケージの利用で事故を防ぐ!

事故を100%防ぐ為には「放牧中も目を放さない」が基本です。

上記でも述べたように我が家は「基本的には放し飼い」です。

当然、目を離している時間の方が多いです。

だから、あんまり強い口調で言うのは憚られるますが、少なくとも、いたちのおうちに「お泊りっ子」がいる時は、「目を離さない」これは必ず、徹底させています。

大切なお預かりニョロ達を「まさか」とか「想像もしていなかった」とかって、そんな無責任な理由でケガさせるわけにはいきませんからね。

これまで聞いたことがある事故は100%飼い主が目を放した(見ていない)時に起きています。

フェレットの事故
  • 誤飲・誤食:「まさかそんな物を食べちゃうなんて」
  • 転落:「まさかそんな所に登るとは思ってなくて」
  • 踏みつけ:「まさかそんな所にいるなんて」
  • 脱走:「いつの間にか」

全部、ケージにさえ入れておいてあげれば100%防げている事故です。

我が家は、基本的には放し飼いではあっても、どこで何をしているかは常に把握できるようにしています。

何かが起きそうな状態になる前に気付けるようにはしているのです。

だから、それが出来ない時、

例えば、ほんの数十分であっても外出する時などは必ず、ケージに入ってもらいます。

この子達にとって、それが一番安全だからです。

飼っているペットの安全を保障するのは飼い主として当然の責任です。

それを怠るのは虐待に等しいと私は考えています。

ケージ内で起きる事故(布食い)を防ぐには

ハンモックの「布を食べちゃった」というお話しを聞くことがあります。

これは食べやすい(食べたくなる?)布かそうじゃないかみたいな好みがあるのか、その辺りの事情は分からないのですが、「帆布」生地で出来ているハンモックを選んであげると誤食の可能性が減るそうです。

また、ケージは遊び場ではありませんのでオモチャを入れる必要はありませんが、「寂しくないように」という気持ちから入れてあげるのでしたら、ぬいぐるみ等の布製のオモチャは避けてあげて下さい。

ぬいぐるみの目、やホツレた箇所から出た綿などを食べてしまうかもしれないので、くれぐれも気を付けてあげて下さいね。

出来るだけ、ケージの外でたくさん遊ばせてあげる事を心掛けてあげて欲しいと思います。

多頭飼育なら匹頭数分の用意は必須

すでにフェレットがいる環境に、新しい子をお迎えした時には、数日間はケージを分けてあげなければいけません。

「お迎え症候群」がひどくて入院したという子だっているのです。

それについては、こちら(フェレット多頭飼育の始め方「お迎え症候群」なめてませんか?)などお読み頂ければと思います。

また、

「仲良しだから一緒にしてあげたい」も分かりますが、そうとばかりは言っていられない状況は「突然」きたりするのです。

一匹が感染症を発症した時、その子だけを隔離しておけば良いばかりではありません。

病気には潜伏期間というものがあります。

それが伝染性であった場合は、きちんと病院で検査をして陰性だと分かるまでは「全員を一匹ずつ」隔離しておかなければならないのですよ。

感染症と伝染病の違い

感染症というのは、何らかの原因で突然発症します。

それが「発症したとたん」伝染性の病気になる事があるのですよ。

必読
感染症の疑いと言われたら【感染症と伝染病の違い】フェレットと人では使い方(定義)が違うんです

現在、法律上での「伝染病」は主に動物たち(家畜)の伝染病を指しています。 1999年に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (感染症新法) 」から、「伝染病」という名称を人 ...

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「一匹だと寂しそうで可哀想」で全員を病気にしてしまわないで下さい。

伝染の心配がない病気だったとしても、体調が不安定な子は「ゆっくり休ませてあげる」のが一番の薬です。

「みんな一緒が良いよね」も分かります。

例えその子が本当にそう思っているのだとしても、「病気の体には休養が必要」な時だという事は知っていてあげて下さいね。

そして当然の事ではありますが、

そういう状況になってから、慌てて買いに行くのでは遅いです。

普段からずっとそこに出しておく必要はありませんが、そうなった時には、すぐに「お部屋を準備してあげられる用意」だけは最初からしておいてあげるべきだと思います。

また、急にそういう状態になった時、「とりあえずキャリーで」は可哀想な事は考えなくてもお分かり頂けますよね。

どちらも快適に過ごせるようにしてあげるのは当たり前の事として、

キャリーバッグは移動用の車、ケージはお部屋

と、考えてあげると良いんじゃないかなって思います。

参考

ペットキャリーは単なる移動手段と考えず、快適に過ごせる工夫をしてあげよう

「もしも」の時にも

東日本大震災の後、ボランティア活動のお手伝いに少しだけ行きました。

「とりあえずキャリーで避難してきて、ケージは後から取りに行ってきた」というペットちゃんと飼い主さんが避難所にいらっしゃいました。

「ソフトキャリーで避難して、ケージの用意が無いから避難所には入れない」というペットちゃんが、震災ペットの一時レスキュー場所へ飼い主さんから持ち込まれた現場に立ち会いました。

このお話はどちらも、フェレットではありませんが、そういう事もあるって頭にいれておいてあげて欲しいと思います。

まとめ

  • ケージは絶対に必要なもの
  • ケージに入れるのが可哀想は間違い
  • 間違った使い方で起こる事故はありますが
  • ケージに入れてあげさえすれば100%防げる事故がほとんどです

事故のほとんどはケージに入れてさえあげていれば防げるのです。

だからと言って、ケージにいれておきさえすれば良いって事でもありません。

ケージは正しく使用して、防げる事故は全部、防いであげて下さいね。

今日のお話しは

金運アップとペットのケージ問題』というごちゃごちゃした記事をまとめたものです。

保健局に登録されている「いたちのおうちの飼養施設の平面図」もこちらでご確認頂けます。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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