フェレット飼育ノート

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腎不全のお薬

基礎知識

勝手な断薬は悪化を招く!反跳作用リバウンド現象とは?フェレットの投薬をやめるタイミング

更新日:

「症状の改善が見られないから」

「投薬の継続による副作用が心配だから」

等々の理由で「薬をやめたいんだけど」というご相談を受ける事があります。

A.  それは病院の先生に相談する事です。

本当にこれしかお答えする事は無いのですが、よくよく聞いていると

「毎日数時間おきの投薬が大変だから」

「通院が困難だから」

『飲ませなくても死んでしまうわけじゃないなら止めても良いんじゃないかと思って』みたいなお気持ちが少し見えてくる事があります。

そういう方は、飲ませなくても大丈夫だよって言ってくれる人に出会うまで同じ質問をあちらこちらで繰り返します。

今ここをお読み頂いてるあなたは、その質問をしている側ですか?それとも、されている側ですか?

どちら側だったとしても、この記事に目を留めてくれたあなたには是非、薬には「飲み切らせなきゃいけない薬」と「そうじゃない薬」がある事を知っておいて頂きたいと思います。

そして更に、飲み切らせなければいけない薬を勝手に止めてしまうとどうなるか、その怖さをきちんと頭に入れておいて欲しいかなって思います。

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投薬をやめたい!やめて良い薬とダメな薬の違いは何?

お医者さんから処方されるお薬にはザックリ大きく分けると

  • 症状が治まったら服用を止めて良いお薬
  • 処方された分は飲み切らなければいけないお薬

があります。

これは人間用でもこの子達用でも同じで、勝手な素人判断で止めていい薬なんてものはありません。

出血が治まったらもう必要がない止血剤のように症状が治まった状態を患者側が判断できる物もありますが、「病気が治ったかの判断」はお医者さんにしか出来ない場合の方が多いです。

分かりやすい例でいうと

耳ダニをやっつけられたらもう必要がない駆虫薬や、咳止めや鼻水止めなどといったいわゆる対症療法薬(発症中の症状を和らげ、自然治癒の手助けをするための薬)の、その

  • 発症中の症状を和らげ=治ったように見ているだけ
  • 自然治癒の手助けをしてる=まだ病気の火種は残ってる

かもしれないという、その判断は私たち素人には出来ないという事です。

それらは「症状が出ている間は飲ませ続けて下さい」=「治まったら飲ませなくて良い」いうお薬で間違いは無いのですが、服薬の中止時期(症状が治まったとされる状態)は、必ずお医者さんからの指示に従って下さい。

分からなければ「どういう状態になったらそう判断して良いのか」を、その子を診てくれている獣医さんに直接確認してあげて欲しいんです。

こういう事は、間違っても「他の誰か」を参考にしたりしないで下さいね。

怖いのは薬の反跳作用(リバウンド現象)

反跳作用(はんちょうさよう、rebound effect)とは、同じ薬の服薬を中止するか、服用量が低下した時に一過的に出現する、症状の発症や再発である。再発の場合、その重症度はしばしば治療前より悪化している。リバウンド現象ともいう。

人間用のお薬では、睡眠薬や抗不安薬を中止したことによる不安や不眠の亢進などが、その例としてよく挙げられるので、「精神的な病気のお薬にだけ起きる現象」と思われている方もいるようですが、

例えば、高血圧のお薬を血圧が下がって安定したからといって、勝手に服用をやめた後、血圧が反動的に上昇し心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす事なども、この「リバウンド現象」です。

また、花粉症などのアレルギー薬にステロイドが使用されている場合、その症状が治まったからといって使用をやめると、かえって症状が悪化することがあります。

これもリバウンド現象です。

ステロイド剤は特にリバウンド現象が起きやすい

時々、「ステロイド剤は寿命を縮めるだけから服用してはいけない」等というような事を言う人を見かけたりもしますが、ステロイド剤は特に反跳作用(リバウンド現象)が出やすいお薬です。

この子達のインスリノーマのお薬(ステロイド)を勝手に止めてはいけません。

やめた結果が招いた症例

抗生剤(抗菌薬)のリバウンド現象

抗生物質(抗菌薬)とは「病原性のある細菌を殺す働きを持つお薬」です。

作用の仕方

1.抗生物質を飲む(投与)
↓ 一発目
2.その抗生物質に抵抗力のない菌をやっつける
↓ 次に
3.その抗生物質に少し抵抗力のある菌をやっつける・抗生剤に耐性を持つ菌が現れ始める(耐性化)
↓更に
4.その抗生物質に抵抗力がある菌(耐性菌)に立ち向かう
↓どんどん頑張ってくれて
5.菌を全滅させる

このように、段階を踏んで病原性のある細菌を殺していくのです。

多くは抵抗力のない菌なので、一発目(※1回目という意味ではありません)で大抵の菌がやっつけられて、症状が治まることが多いです。

でも、それは「症状が治まった(ように見える)」だけで、細菌が全滅した状態では無い(病気が治ったわけでは無い)場合がほとんどだから、「ぶり返す」という症状が出るのです。

この「ぶり返す」という状態を軽く考えてはいけません。

抵抗力を持った菌で再発する(重症化)

服薬を途中で止めて「ぶり返した」その状態は、症状が「振り出しに返った」わけではありません。

一発目二発目(※投薬回数の数字ではありません)では殺しきれなかった(=抗生物質に抵抗力を持った)強い菌での発症なわけですから、「リバウンド現象」で言われる治療前より重症での再発となってしまうのです。また、それが

薬剤耐性菌を生みだすきっかけになる

のが、怖いのです。

薬剤耐性菌とは突然変異で発生し、本来その菌に効果のある抗生物質に対して抵抗力を持った菌のことで、抗生物質による効果が薄くなったり、まったく効かなくなったりする菌、または、抗生物質を使い続けていく事によって、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり、薬が効かなくなるという、薬への耐性を持った細菌のことを言います。

厳密にいえば、発生原因のニュアンスに多少の違いはありますが、要するに「その抗生物質(抗菌薬)が効かない菌(細菌)」の事です。

「全く薬が効かない、とても強い菌」とは、いつだったかに大きなニュースとなったので、覚えておられる方も多いかとは思いますが、「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)」などがそうです。

薬が効かなくなってしまう

上記の「作用の仕方」通りに、しっかりと服薬していれば、そのままやっつけられていたはずなのに、例えば、2週間飲むべき抗生剤を、症状が治まったというだけで、「治った」と思い込み、たったの1日でやめてしまったり、本来は1日3回飲まなければいけない抗菌薬を1日に1回ずつしか飲まないなどして、

抗生物質(抗菌薬)が中途半端に効いた状態を続けるという事は、その薬に弱い菌がいなくなっただけで、その抗生物質(抗菌薬)に対して抵抗力を持った菌が生き残った状態で、更に耐性菌の出現を促すという、非常に厄介な状態に体がなっていってしまうという事です。

当たり前の事ですが、その状態になってしまったら、同じ抗生剤は効きません(効きにくくなります)。

だから、抵抗力を持った菌や耐性菌が増え過ぎないように、増殖しないうちに、連続した抗生剤の投与で、それらを叩き続けるのです。

「よくなった」という思い込みで勝手に投薬をやめたりしないであげて下さいね。

服用をやめてはいけないお薬

例え、症状の改善が見られなくても(見られないようにみえても)病気の進行やその病気による発作が起きないようにと生涯に渡って服薬を続けてあげなければいけないお薬があります。

例えば、心臓病のお薬などは症状が落ち着いてきたら薬の種類が減る事があります。

これはまだ人間用のお話しでしか聞いた事はありませんが、その事をおかしな風に解釈してその指示が出ていないお薬まで勝手に飲むのを止めてしまう人がいるそうです。

上記で例にだしたように心臓病のお薬にはリバウンド現象を起こすものがあります。

絶対に勝手に飲むのを止めたり量を減らしたりしてはいけません。

他にも、一度失った機能の回復は見込めないとされる腎臓疾患のお薬なども何がどう作用しているのか分からないくらい一度にたくさんの種類が処方されたりしますが、そのどれもが大切な役割を持っています。

その一例は今日のアイキャッチ画像に載せました、わさびが処方された『腎臓疾患の薬とは?』で解説しています。

また、IBD(炎症性腸疾患)や免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)などの免疫介在性疾患のお薬は、服薬によって病気を抑えているだけなので、急に投薬を中止するとすぐに症状がぶり返してしまいます。

継続した服薬で最終的に「もう飲まなくても大丈夫」と診断されるまで徐々にお薬の種類が減る事などもありますが、勝手な飼い主判断で減薬などをしてはいけません。

免疫介在性疾患は自分の免疫が自分の体(臓器)を攻撃してしまう病気です。

その薬を中止するという事は病気の再発が命を落とす事に直結する場合がありますので、絶対に絶対に勝手な断薬は止めて下さい。

まとめ

薬の必要性が理解できないこの子達に、「これを飲めば元気になるよ」を伝えるのは難しいです。

特に苦みがあったりすると嫌がって飲んでくれなかったりもします。

我が子が嫌がる事を毎日続けるのは心が折れます。

そんな闘病生活が長くなればなるほど看護(介護)疲れで飼い主としてのメンタルが上向きに保てなくなって、投薬をやめよう、やめても良いかな、やめたい、と思う事は当然あります。

副作用云々が怖くなる事だってあります。

そんな時にはそのまま気軽に獣医さんに相談すれば良いのです。

例えば、

薬を飲ませるのが大変

錠剤を粉にして処方してくれたり、液体の薬に変えてくれたり色々と無理なく投薬できるようになる方法を一緒に考えてくれたりもします。

経済的に厳しい

経済的にしんどい事は恥ずかしい事ではありません。

仕方が無い時だってあります。

ただ、その時には治療をやめてしまうのでは無く、まずは先生にそのまま相談してみれば良いのです。

安価なジェネリック(目的が同じで安いお薬)があればそちらを処方してもらえる事だってありますから、どうか勝手に治療の継続を諦めたりしないで下さい。

薬が効かない(効いてないように見える)

上記でも述べたように、そう見えるだけの場合があります。

もしかしたらそれは、診断的治療(推測される1つの病気に対してだけの投薬によって、その症状の改善が認められたら、病名が確定する(そう診断する))の一環としての投薬である場合があります。

不安な時はそのまま「よくなってるように見えない」と心配事を獣医さんに打ち明けて下さい。

きちんと説明を受けるだけでその不安は解消されますからね。

その薬が本当に必要なのか分からない

これこそ本当に、「そんな事は獣医に聞いたら一発で解決する事」です。

全く必要が無い薬を処方されてる事なんて無いのですから、「なぜ続けないといけないのか」、「本当に必要なのか」は納得いくまでとことん説明してもらえば良いのです。

上記の通り、勝手な断薬・減薬が命にかかわってくる事はたくさんあります。

ネットや何かに書いてあっても詳しい誰かが言っていても、絶対に絶対に、勝手に判断してはいけません。

しつこいようですが

治ったという思い込みで投薬を勝手にやめてしまう事がどれだけ怖い事かお分かり頂けましたでしょうか?

薬の目的(作用)はさまざまです。

どういう作用があるのか、続ける事に意味があるのか、等々などなど、不安や疑問は全て獣医さんに直接質問できる飼い主になって下さい。

「薬をやめたい」でも良いんです。

とにかく、必ず獣医師に自分で相談する癖をつけて下さい。

必ずしもこちらが思う通りの投薬内容にはならなくても、それに近い何かしらの解決策は担当の獣医さんと探していく事なのですよ。

間違っても勝手に薬をやめてしまうような事だけは決してしないであげて下さいね。

意外と軽く考えられがちなフィラリア症の予防薬も勝手に始めたり勝手にやめたりしてはダメですからね。

誤った投薬で死亡症例もありますから、お時間あります時に、こちらなどにも目を通しておいて頂けたらと思います。

参考までに
フィラリア(犬糸状虫)症とは?予防薬の投与時期と注意事項

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追記

お薬は処方された通りに用法用量を守って正しく服用して下さい。

他の薬効成分を勝手に合わせたりするのは危険です。

その際には必ず獣医師に相談してからにしてあげて下さい。

また、飲ませ忘れたからといって二回分を一度に与えたりも絶対にしてはいけません。

我が家では飲ませ忘れを防ぐためにこんな風にしています。

簡単!飲ませ忘れ対策

健やかなニョロニョロを☆彡

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