フェレットの陰茎

病気

フェレット前立腺肥大などの前立腺疾患(副腎との関係)去勢済みでもオス特有の病気

ショップからお迎えする子のほとんどは不妊手術済み、そうでなくても、不妊手術のお約束をきちんとしてからでなければお迎えが出来ないのがフェレットです。

便宜上「あたしは全とり手術済みよ」という知人の言葉を借りて説明させて頂くと、人間(一部の業界)ではその手術に「玉とり」「竿とり」「一気に全取り」と3パターンがあるそうですが、それで言うと、動物達の手術では「玉とり」が男の子の手術内容となります。

フェレットのおチンは知らない人が見たら「おへそ」と間違ってしまう位置にあります。

今日のアイキャッチ画像がそれなのですが、女の子には、ほらこの通り、その「ポチ」っとしたものがありませんので、比べて見たらすぐにお分かり頂けるかと思います。

フェレット(メス)のお腹

そして、今日のお話し「前立腺」というのは、膀胱の前方で尿道を囲むように存在し、精子を活発にする働きを持つ前立腺液を分泌するための(生殖に関わる)器官の事を指しますので、男の子にしかそれは無く、その疾患は男の子特有のものとなります。

タマタマが無いのに、精子を活発にするどうちゃらこうちゃらがどうのこうのって…なんで?って思われるかもしれませんが、どうぞ、最後までお読み頂けたらと思います。

フェレットの前立腺疾患とは?

なんらかの原因で前立腺が腫れ、主に尿が出にくくなるなどの症状が起きる病気の総称です。

前立腺が腫れる(前立腺肥大)原因は、副腎疾患によって性ホルモンが過度に分泌されることによる場合が一番多いとされています。

尿道を取り囲む位置にあるため、それが腫れると尿道を圧迫したり、性ホルモンによって増殖した細胞が尿道を狭めてしまったり塞いでしまったりします。

  • 前立腺の一部に体液や血液が溜まった袋が出来たり(嚢胞)
  • 感染症を起こして膿が溜まったり(膿瘍)する事もあります。

尿道が閉塞して排尿されない状態が続くと

  • 腎不全を起こして死んでしまう

事もあるのです。

尿道だけでなく「腸管まで圧迫してしまっていた」という症例もあります。

3才(シニア期に入る前)頃から注意が必要とされるこの疾患。

この疾患である場合、副腎に問題がある場合が多いとされています。

副腎疾患の疑いが出るとついそちらにばかり気がいってしまいがちですが、男の子の場合にはこの「前立腺疾患」を常に頭にいれておいてあげるとそれらの症状の「これはなんだろう?」にもいち早く気付いてあげられるのではないかなって思います。

前立腺疾患の症状

  • 排尿困難になります。
  • トイレへ行ってもなかなかオシッコが出なかったり、まったく出なかったりします。
  • 一度に少しずつしか排出されないので頻尿(オシッコの回数が増える)になります。
  • 尿漏れして、いつもお腹の辺りが濡れている事もあります。
  • 排尿時に痛みから鳴き声が出る事もあります。
  • 血尿が見られる事もあります。
  • 排尿時になかなか出ないために、力むのでウンチが少し出る事があります。

※ウンチをする時にオシッコが一緒に出る(する)のは、(人間と同じで)よくある事です。そうでは無く「オシッコの時にちょっとウンチも出てしまう」という状態です。

その原因が副腎疾患である場合がほとんどであるため、その場合は、副腎疾患の症状(脱毛など)が見られたりもします。

治療方法

副腎疾患が原因なら、その治療(摘出手術、投薬治療など)を行います。

副腎について
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軽度の状態なら副腎の摘出手術で治ることが多いとされ、それで治らない場合またはその手術を行わない場合は、ホルモン抑制剤の投与で少しずつ効果がでるまで時間がかかる事があります。

前立腺に嚢胞(のうほう)や膿瘍(のうよう)ができている場合には、外科的に前立腺を切開して洗浄や排膿し、抗生物質を投与します。

いずれにせよ、尿が溜まっている場合には、腎不全を起こさせないために速やかに処置する必要があります。

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オシッコが完全に出なくなってしまっている時には、圧迫排尿や膀胱穿刺(ぼうこうせんし)尿道に細い管を通して(カテーテル)尿を抜くなどの処置が必要となります。

ただし、フェレットの男の子には陰茎骨というJ型の小さい骨がそこにあるので、尿道カテーテルという管を通す処置でも、大変に神経を使う繊細な作業となり、その処置を嫌がる獣医さんがいるというお話しを聞いた事があります。

フェレットオス陰茎骨とカテーテル

J型の骨とカテーテル

「竿とってないから!骨があるのは当然よね!」(by.前述の手術済みの知人)※この表現が適切かどうかの判断はお読み頂くあなたの中でお願いいたします。

予防法

「前立腺疾患の予防」には「副腎疾患の予防」が一番とされています。

副腎疾患は「フェレットをお迎えしたら、その時から覚悟をしておく病気」とされているのであれですが、それだからと言って「仕方ない」で片付けてしまわないであげて下さいね。

少しでも出来るんじゃないかとされる、予防を諦めてしまうのは違うと思うんです。

ホルモンバランスの異常には「日照時間が関係している」とも言われていますので、やはり、昼は明るい中で遊び、夜は暗い所で眠らせてあげるという明暗差をきちんとつけた規則正しい生活を送らせてあげるのが良いんじゃないかと思います。

我が家では
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愛鼬ちゃんの副腎の摘出手術をされたという方からこんなメールが届きました。 はじめてメールさせていただきます。 うちの豆子は3歳くらいの時にオマタの腫れが出てくるようになっていたんだと思います。 ですが

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まとめ

1つ1つは、ちょっとした事かもしれませんが、それらは全部きちんと早期に気付いてあげられる事に繋がる確実なサインです。

「おかしいな」と思ったらすぐに病院へ連れて行ってあげて下さいね。

男の子ニョロリンと暮らしているあなた、3才過ぎたら、副腎疾患の疑いが出始めたら、毎日のチェックに「排尿時の様子」や「排尿後のおチンの状態」を加えてあげると良いんじゃないかなって思います。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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