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病気

フェレット「グロブリン値が上がる=A/G比が下がる」その見方(計算式)と考えられる原因

グロブリン値とは、総蛋白からアルブミンの値を引いた数字(値)の事を言います。

そのグロブリン値というのは、そのもの自体が上がった下がったという見方をするものでは無く、アルブミンとの比率を見ます。

それが「A/G比」と呼ばれるものです。

計算式は

A/G比=Alb/(TP-Alb)

この子達でのその基準値は1.0~2.3で、これは「大体で良いから単純目安で1:1前後が望ましい」とされています。

アルブミンは肝臓でつくられるので、肝臓に異常があると血液中のアルブミンが減少し、A/G比も低値になります。また、腎臓や胃腸に異常があると血液中のアルブミンが失われ、A/G比が低値となります。グロブリンは、免疫システムの異常によって増減します。感染や外傷など体内で炎症が起こると、免疫システムが活性化してグロブリン値が高くなり、A/G比は低値になります。多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)でも低値を示します。免疫力が失われる無γ‐グロブリン血症ではグロブリンが少なくなり、A/G比は高値を示します。

⇒大日本住友製薬「肝機能検査」(人間用)

ちょっと分かりづらいかもしれませんので、うちのわさび君(推定8才♂インスリノーマ・腎不全)の例でお話しさせて頂こうと思います。

グロブリン値が高い(A/G比の低値)は何を表しているのか?

まず、こちらが

グロブリン値「3.5」・A/g「1.114…」

A/g比=「3.9:3.5」となるので、ほぼ「1:1」の基準値内です。

この時期、私たちは、腎不全の治療について転院を視野に入れた病院探しをしていたので、ちょうど一週間後に別の病院でも同じ検査(血液検査)をしてもらいました。

グロブリン値「4.7」・A/g「0.617…」

A/gの値は基準値を下回る「0.6」

A/g比=「2.9:4.7」で、望ましい比率「1:1」からはみ出てしまいました。

この数字は、何らかの免疫異常を表しています。

フェレットの体でこういう数字がで出た場合、真っ先に疑われるのは

腫瘍

ワサビはその時点でインスリノーマ(膵臓に腫瘍ができる病気)と診断されていました。

こちらが、そう診断された時のエコー

腫瘍のような影

一週間後

やはり、同じ位置に腫瘍のような影が見えます。

これは、倍率や写し方の違いでしかなく、腫瘍そのものの大きさは特に大きな変化はありません。

よって、この腫瘍によって免疫異常を起こしているという事は考えにくいという答えが出ます。

他にも5か所ほどエコーで診てもらいましたが、「これがグロブリン値が上がった原因だ」と決め手になるようなものは見付けられませんでした。

インスリノーマとは?

感染症

感染症というのは、病原体(細菌やウイルス、寄生虫など)が体内に入り、何らかの症状(発熱や下痢等)が出る疾病の事を言いますが、

感染したら即座に発症するものばかりでは無く、一生涯に渡り発症しない事もあります。

発症のタイミング、発症するかどうかは、病原体の感染力と体の抵抗力とのバランスで決まります。

同じ病原体に侵入されても、「一生涯に渡り発症しない子もいれば、即座に発症して死に至る子もいる」というのが感染症というものです。

上記のように「感染してるだけなら(発症しなければ)問題無い感染症」というのは、何らかの症状が出てから初めて「そうではないか」と検査をする事が多く、感染が疑われるような状況にあった場合でも無い限り、健康な時にそれを疑って積極的にその検査をするという事はあまりありません。

発症していなければ「治療する必要」が無いから「調べる必要が無い」とハッキリ言う獣医さんもいます。

フェレットのこういった場合、真っ先に疑われる感染症は

疑い1
コロナウィルスに感染?

1990年代にフェレット(ヨーロッパケナガイタチ)の伝染病としてアメリカで大流行した 「ECE(動物間粘膜性腸炎)」 「グリーンウィルス」 などと呼ばれる消化器系の感染症。 日本でも2000年以降のつ ...

疑い2
アリューシャンの疑い?

フェレットに何らかの「感染症の疑い」がある場合、真っ先に名前があがる疾病の1つに「アリューシャン病」があります。 ですが、「うつる病気」である事にくわえ「治らない」という事で、必要以上に怖がって、「避 ...

になるかとは思いますが、ワサビは一度その検査を過去にもしています(いたちのおうちの自己満足でです)

でも、その後、フェレットが多く集まるイベントへ参加した事もありますし、数字として「感染症の疑い」が出ているわけですから、改めてこの2つの検査を受けました。

結果は、どちらも陰性でした。

それは「それらの感染症では無い」という事が分かっただけで、「免疫異常を起こしている」という事実は変わらないので、原因を探すために、あれこれと検査は続けて頂きました。

そういう時は、その他の感染症や伝染病に罹患しやすい状態であるという事になりますので、不要な外出や他動物との接触、少しでもストレスがかかるような事などは極力控えてあげるべきかと思います。

なので、いたちのおうちのお泊りは、一時すべてをお断りしていました。

必要以上に疲れさせる事がないように、放牧時間も皆でワチャワチャ遊ぶ時間より、一人でノンビリの時間を増やしてあげました。

原因が分からないため、それに対する積極的な治療は何もしていなかったのですが、先日の検査で、A/g比が望ましいとされる基準値に落ち着いてきたので、お花見に行ってきました。

今日のアイキャッチ画像がその時の写真なのですが、この検査から4カ月後です。

何はともあれ安心しました。

が、闘病中である事は変わらないので、これからも、無理させない範囲で頑張って楽しい毎日を送ってもらえるように飼い主として努めたいと思います。

伝染病と感染症の違い

「感染症」については、こちらなどお読み頂くと、感染症についての漠然とした不安は無くなるのではないかなって思います。

参考にしてみて下さいね。

基礎知識
感染症の疑いと言われたら【感染症と伝染病の違い】フェレットと人では使い方(定義)が違うんです

現在、法律上での「伝染病」は主に動物たち(家畜)の伝染病を指しています。 1999年に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (感染症新法) 」から、「伝染病」という名称を人 ...

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